5月23日に、参議院行政監視委員会が開催され、「脱原発」を主張する4人の識者が出席しました。
京都大学原子炉実験所助教 小出 裕章氏
芝浦工業大学非常勤講師 後藤 政志氏
神戸大学名誉教授 石橋 克彦氏
ソフトバンク株式会社代表取締役社長 孫 正義氏
まず、概要を中日新聞から。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011052390232348.html
(引用開始)
石橋克彦神戸大名誉教授や孫正義ソフトバンク社長ら「脱原発」を主張する識者4人が23日、参院の行政監視委員会に参考人として出席し、国のエネルギー政策の転換などを訴えた。
委員から、津波対策後に再開を目指す中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の耐震性を問われた石橋氏は「大丈夫なんて全く言えない。浜岡は、地雷原でカーニ バルをやっているようなもの」と再開に強く反対。浜岡1号機が運転を開始した1976年から「東海地震」の可能性を指摘しており「地盤の隆起で敷地がでこ ぼこになる可能性がある。海水の取水管や防波壁が壊れて役に立たないかも」と強調した。
100億円の義援・支援金を寄付するほか、全国各地に太陽光発電所の建設を計画する孫社長は「国内の休耕田と耕作放棄地の2割に太陽光発電を設置すれば、原発50基分をまかなえる。今は農地転用の規制で不許可となるが、仮設置を認めたらどうか」と政策転換を促した。
京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「高速増殖炉は68年に計画が持ち上がって以来、10年ごとに目標が先延ばしにされ、いまだ実現していない。永遠にたどり着けないであろう施策に、すでに1兆円を投じた責任を誰も取らない」と原子力行政の行き詰まりを指摘した。
福井県選出の委員からは「原発銀座」と言われる同県の現状への質問も。石橋氏は「若狭湾は地震の活動帯。海底活断層がたくさん見つかっており、大津波の可能性はある。非常に危険なのは間違いない」と話した。
(引用終わり)
今や民衆のヒーロー、小出先生が国会で答弁することになったこの委員会については多くの人が強い関心をもたれ、その内容についてまとめられている方も多くおられます。
動画のリンクもはられています。あらためて私がまとめることもないかと(サボります)。
いつもコメントいただくパブロン中毒さんのまとめ
http://ameblo.jp/nothingrealymatters/entry-10901843355.html
あるいは、こんなまとめもありました。
http://blog.livedoor.jp/tokiko1003/archives/2732358.html
孫社長は、委員会で使用した資料を公開されています。
http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0523_sangiin.pdf
さて、これがどのように報道されたかに注目しました。
これほど国民の関心が高く、大事な案件なのに、NHKは国会中継しなかったばかりか、ニュースとしてすら取り上げていません。
他の多くのマスコミも、報道していないところが多いです。
Googleの「ニュース」で調べた限り、報道されているのは以下の各社に限られます。
中日新聞
朝日新聞
時事通信
共同通信(47News)
しんぶん赤旗
読売新聞・東京新聞などは、孫社長の「電田」の話題のみ。
なお、中日新聞についてはこんな記事を見つけました。
http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2011/05/post_2074.html
(引用開始)
福島原発事故以前においても、福井と浜岡を抱える中日新聞は幾度も小出先生や石橋先生を取材し、原発に警鐘を鳴らす記事を書いてきた。
こんどの委員会、大マスゴミがスルーするなかで朝日新聞と共同通信は伝えている。
(引用終わり)
そうだったんですね。やるなー、中日新聞。
国の原子力政策転換のターニングポイントにもなりそうで、国民にとってニュース性の高い今回の委員会を報道しないマスコミは、東京電力や経済産業省に遠慮しているのか、あるいは単純に感受性が鈍いのか、いずれにしても報道機関としていかがなものかと思います。