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「福島原発 暴発阻止行動 プロジェクト」
結成へむけて
福島第一原子力発電所の現状についてはいまさら説明するまでもありません。しかし確認しておかなければならないことは、次の事実です。
- 暴発を防ぐためには、ホースによる散水のような一時的な処置ではなく、10年の単位の時間安定して作動する冷却設備を設置し、これを故障することなく保守・運転し続けなければならない。
- この冷却設備の建設・保守・運転は、すでに高度に放射能汚染された環境下で行わざるを得ない。
- もし、安定した冷却設備を建設・保守・運転できなければ、3000万人もの人口を抱える首都圏をも含めた広範な汚染が発生する可能性がある。
このような最悪のシナリオを避けるためには、どのような設備を作ることが必要か、放射能汚染を減らすためにどうしたらよいか、などなど、数多くの技術的課題があることはもちろんです。この点についても日本の最高の頭脳を結集した体制ができていないことは大きな問題です。
さらにもう一方では、最終的に汚染された環境下での設備建設・保守・運転のためには、数千人の訓練された有能な作業者を用意することが必要です。現在のよ
うな下請け・孫請けによる場当たり的な作業員集めで、数分間の仕事をして戻ってくるというようなことでできる仕事ではありません。
身体の面でも生活の面でも最も放射能被曝の害が少なくて済み、しかもこれまで現場での作業や技術の能力を蓄積してきた退役者たちが力を振り絞って、次の世代に負の遺産を残さないために働くことができるのではないでしょうか。
まず、私たち自身がこの仕事を担当する意志のあることを表明し、長期にわたる国の体制として退役した元技能者・技術者のボランティアによる行動隊を作ることを提案し要求していきたいと思います。
当面次のことを提案します。
- この行動隊に参加していただける方を募集します。
原則として60歳以上、現場作業に耐える体力・経験を有すること - この行動隊を作ることに賛同し、応援していただける方を募集します。
こんな方が出てこられるのが、日本のすごいところと思います。
呼びかけ人の方、および志願者の方々に心から敬意を表します。
そして驚いたことに、京大の小出裕章先生が、現在までの志願者60人の中の一人として応募されているとのことです。
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/10/iwakami-may10/
(5月10日午後、ジャーナリスト岩上安身氏による京大原子炉実験所での小出裕章氏へのインタビュー記事)
・(どうしても被曝する人が出るということがポイント。福島原発暴発阻止行動プロジェクト(シニア決死隊)ということで山田恭暉さんという人が同志を募っている。若い人に被曝をさせないという趣旨。先日インタビューをした。2時間ほど話を聞いたが、反響が大きかった。これを統合本部の会見で東電にぶつけた。東電は一蹴したが、細野氏は検討すると言った。東電は渋々検討するとなった。山田氏は、合理的に考えたら経験のある技術者の自分たちが行くべきだと淡々と語った。後の世代を生かすために行くと言った。どう感じるか?)私もその一員だ。60人の志願者の中に入っている。
・(それは頼もしい。でも心配。複雑。どうして志願を?)私も60を過ぎていて放射線感受性は低い。私には原子力に携わってきた人間として責任はある。推進してはいないが責任はあると思う。事故収束にむけて自分にできることがあれば、したい。
(この件以外の内容については別の記事で書くつもりです。)
またまた小出先生には、言葉もないくらい頭が下がる思いです。
しかし、本件、志願者の方々の健康にとっての危険もさることながら、本当に完全なボランティアであることを徹底しないと、思想的に危険な方向に進みそうです。
私も、ついつい「東京電力の幹部や安全保安院の人間や御用学者たちこそ、現場作業者として送り込むべきだ!」と言いたくなる衝動に駆られますが・・・、これは慎むべきですね。