福島第一原発 週刊金曜日の記事 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

雑誌 週刊金曜日の840号(3/25発売)で何が書かれているか紹介します。

東京電力や、原子力専門家の正体が記事になっています。
また、放射線量に対応した行動指針が示されており、参考になるかもしれません。


週刊金曜日を知らない方に、Wikipediaより引用。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B1%E5%88%8A%E9%87%91%E6%9B%9C%E6%97%A5

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「スポンサーや広告主に阿らずに市民の立場から主張できるジャーナリズム、権力を監視し物申せるジャーナリズム」を目指し、また、休刊した『朝日ジャーナル』の思潮を受け継ぐものとして創刊。「日本で唯一の、タブーなき硬派な総合週刊誌」を標榜しており、反戦・人権・環境問題・市民運動・市民活動の支援・体制批判を主に扱っている。最近の特集としては、テレビ新聞業界のタブーに迫った「電通の正体」、メーカータブーに迫る「トヨタの正体」など。憲法改正論議では、一貫して護憲の立場を取っている。

現任編集委員
 本多勝一・佐高信・落合恵子・石坂啓・雨宮処凛・宇都宮健児・田中優子・中島岳志
過去の編集委員
 石牟礼道子・井上ひさし・久野収・椎名誠・筑紫哲也・辛淑玉

(週刊金曜日の連載であった)「買ってはいけない」は1999年5月発行。世間で広く流通している食品や日用品などの各種商品を取り上げ、それに含まれる食品添加物その他の化学物質などの毒性や危険性を誇張し、「買ってはいけない」と具体的に誹謗していたことで話題になり、約200万部を売り上げた。
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私は週刊金曜日を1993年11月の創刊号から継続して購読しています。もう17年以上。

この雑誌の記事は、話題となった「買ってはいけない」も含め、センセーショナル過ぎて納得できない記事も多いと思っており、「信者」ではないです。一方で、他のメディアでは知り得ない情報や独特の鋭い視点の記事も多く、勉強になる場合も多いです。

原発に関しては個人的にはどちらかというと容認派だったので、従来はこの雑誌の原発に関する記事は危険性をあおりすぎと思っていました。今回も一部そのような内容も見られました。

批判的に読むようにしているとはいえ、私の物事を見る視点は、やはり週刊金曜日に影響を受けています。


今週の週刊金曜日について、そのサイト
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=1895

からの直接の引用をイタリックで、雑誌から私が要約・引用した部分を通常の書体で記します。

このブログでは、はなはだしい場合を除いて意見をはさまず、できるだけ本誌の記事に忠実に書きます。

※予想していた、記者クラブ問題と絡めた記事はありませんでした。


原発震災

■破局は避けられるのか
 広瀬 隆

福島第一、第二原発の事故は依然として終息が見えず、
放出され続ける放射性物質の放射線が各地で観測されている。
チェルノブイリに匹敵する大惨事になるのかどうか、
原発震災問題の第一人者である広瀬隆さんに緊急インタビューした。


・東京電力が計画停電によって電力不足が頭に植えつけられた人が多いだろうが、「原発依存」はまったくの嘘

 発電能力は電力消費の最大値を上回っており、火力発電所が地震から復旧していない、もしくは立ち上げるのに手間取っているからだ。

 実際、2003年4月にデータ改ざんの発覚により福島・柏崎刈羽の原発17基をすべて停止した際、真夏ですら停電は全く起きていない。


・地震のマグニチュードは当初の8.4から8.8、最後に9.0と修正された。これは今までの「気象庁マグニチュード」から専門家が使う「モーメント・マグニチュード」に突然説明なしで変更されたから。

 原発事故が進んだために「史上最大の地震」にしなければならない人たちが数値を引き上げたのだろう。


・原子炉のうち一基が最悪の状態になり、大量の放射性物質を放出することになれば、作業員は敷地内にとどまれず、残りの5基も時間の問題。


・3号炉はプルトニウムを含むMOX燃料を使っている。ウラン燃料と比べて、ガンマ線で20倍、中性子線で1万倍、アルファ線で15万倍という危険性。

 (tomam注:現在、核分裂反応は停止しているはずで、中性子線やアルファ線は出ないはず。)



◆放射能漏れに対する個人対策
 居住地で100マイクロSv/時に達したら
 脱出の準備を始めた方が良い
 山内正敏 (スウェーデン国立スペース物理研究所)


行動指針を概算してみた。(危険度は100時間で判断)

①居住地近くで1000マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない。

②居住地近くで 100マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方がよい。

③妊娠初期(わからない場合も含め)の場合、居住地近くで300マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない。

④妊娠初期(わからない場合も含め)の場合、居住地近くで 30マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方がよい。

⑤原発の近くで50ミリSv/時を超えたら、風下100km以内(時計回り90度、反時計回り30度の扇形)の人は緊急に屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に注意する。

⑥原発の近くで 5ミリSv/時を超えたら、風下100km以内(時計回り90度、反時計回り30度の扇形)の人はなるべく屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する。



■放射線に「健康に影響のない」レベル
 なんてない。
 体内蓄積で確実にリスクが高まる!
 生活に忍び寄る放射線の影響
 被曝のリスクをどう減らすか
 村上 朝子


福島県飯舘村の水道水から基準の3倍以上の放射性ヨウ素が検出された。目に見えず臭いもしない放射線が、じわじわと生活に忍び寄る。どう対処したらよいのか。反原発運動に多大な影響を与えた核科学者、故高木仁三郎さんが始めた「高木学校」の医療被ばく問題研究グループ、瀬川嘉之さんに協力いただき、要点をまとめた。


・政府や一部の専門家は、「ただちに人体に影響を及ぼす数値ではない」と繰り返し述べているが、これは急性障害を起こさないレベルということ。微量でもリスクは高まる。

 1万人が1ミリシーベルトを被曝すると、その中の0.5人ががんで死ぬ確率。

(tomam注:急性毒性ではなく、年間の積算で考えていると思うが・・・。確率の方は、問題にするほどか?)


具体的な対処方法

<屋内退避圏内では>

・放射線源から離れる(風上の方へ)

・放射性物質がさえぎられる屋内に入る(木造よりコンクリート)

・身につけない(吸入しない)ようにする

<首都圏内では>

放射性物質は拡散するので、距離が遠くなるほど危険度は低下する。

3月20日現在では、東京にいる人が特に心配することはない。


胎児や乳幼児は被曝のリスクに最も気をつけなければならない。

・胎児期の被曝線量と小頭症の発症率は相関する。IQおよび学力の低下も。

・被曝により、10年以内に発症しやすいのが、幼児や若い人の甲状腺がん。

 ヨウ素剤による予防はできるだけ早く服用することが重要。放射性ヨウ素が体内に入る前か直後だと90%が抑えられるが、4時間では効果は半減する。

 (tomam注:服用後24時間で効果が低下するので、早すぎるのもダメらしい。)

・妊娠・授乳中の女性は、ヨウ化カリウム50ミリシーベルト以上被曝した場合に限る

・ルゴール液やヨードチンキを飲むのは効果がなく、副作用で危険。



■新潟市 放射線測定をめぐる不可視な実態
 原子力避難民の健康被害を見落とすな!
 写真・文 和賀 えり子

福島第一原発の放射線被曝の危険を避けるため、各地に避難した住民たち。
とりわけ小さい子どもを抱えた家族は不安も強い。
新潟市内で実施された放射線測定の現場を取材した。

放射線チェックは、住民の不安を取り除く意味では一定の成果を上げている。


■宮城県南三陸町・気仙沼市/岩手県大槌町
 物資も情報も届かない
 写真・文 冨田 きよむ

津波がすべてを流してしまった。
東京都民が、われ先に食品やガソリンを買いあさっているとき、
深刻な被害を受けた避難民には、原発の状況も知らされず、食料も水もガソリンも届いていない。

被災地で電気が止まっており、テレビ・ラジオを視聴できないので、情報から完全に孤立。

放射性物質の危険性や原発の現状を知らない。

避難所によっては、水でおにぎりを流しこむだけの暮らし。その給水車もガソリン不足もあり、なかなか来れない。


■茨城県水戸市/千葉県旭市避難所
 心のケアが求められている
 渋井 哲也

地震による避難民に必要とされるのは物資や情報、医療的ケアだけではない。
阪神・淡路大震災のときから重視され始めた、
心のケアを目的としたサイトを自ら立ち上げた筆者が避難所から訴える。


■槌田敦・元名城大学教授に聞く
「想定外」という言い訳は通用しない

謝罪の前に責任逃れを図り、ウソを垂れ流して情報を操作する。
こんなあくどい企業に、国民の生命を危険にさらす原発を任せられるのか。
一貫して原発の危険性を指摘してきた槌田敦元教授が、東京電力を追及する。


・マグニチュードを8.4から9.0にすれば「想定外」という言い訳ができるからと考えたのだろう。


・非常用炉心冷却装置(ECCS)を稼働させるディーゼル発電機計13機がすべて同じ高さに置いてあったので波にさらわれた。明らかに人的ミス。

 2007年の中越沖地震でも柏崎刈羽原発でECCSが故障し、原子力安全委員会がECCSの問題点を検討することになっていたが、福島原発のECCS電源の点検業務を怠ったので、ここまでの大惨事になった。

 建前は原発の「安全確保」なのに「安全宣言」する委員会にした。もう犯罪的。


・東電は情報公開を十分しない。

 より悪質なのは、東電に対して、メディアや登場する専門家と称する人たちがデータの公開を要求しないこと。

 この期に及んでも、大手メディアは東電に遠慮している。

 3/15の全面広告は「謝罪」ではなく「お知らせ」。この会社は人命を尊重しているのか疑わしい。


■カネの力で原発を押し付けた悪徳商法
「東京電力」という名の罪深き企業
 恩田 勝亘

「クリーン」や「安全」という東京電力(東電)のCMは、すべてウソだった。
地震多発国であるにもかかわらずカネのために原発建設を強行し、
破局的大事故を起こした東電の体質を問う。


原発は「カネのなる木」

 建設費用は1基 5000 億円近い。原子炉メーカー、ゼネコン、鉄鋼、セメント、電機など多くの企業が群がる。

 地元も交付金が下り、東電スポーツ施設を建てるなど至れり尽くせりで住民を懐柔する。

・福島の1号機は30年で廃炉にするはずだったが、国のお墨付きで40年に、さらに60年に延長された。

 日本で廃炉なった商業用原発は1基のみ。

 解体するとなると最低10年は放置、その後無数の残骸を安全な場所に保管せねばならばい。

 そのために2000~3000億円前後が必要。この額は原発のコストに含まれていない。

 原発の電気は安くない。

・東電本社への天下りはさすがにないが、関連事業の裾野が広く、おいしいポストは用意できる。

 御用学者を集めた原子力安全委員会、その事務局は原発を推進する経産省の外局の原子力安全・保安院なので、すべて茶番。

・マスコミ対策。独占企業で競争相手もいないのに、年間200億円もコマーシャルに投じる。

 正面から原発の危険性を指摘する新聞やテレビが存在しなかったのも当然。


■福島の原発震災を越える危険性
 浜岡原発をそっこく止めろ!
 東井 怜

とうとうやってしまった。全国的に警告されてきた中部電力の浜岡原発ではなく、
柏崎刈羽原発に続き、またも東京電力の福島第一原発が引き起こした今回の被害。
浜岡原発による原発震災は福島を越えるという検証を加え、今度こそ浜岡原発の閉鎖を訴える。


■官邸と東電が情報隠しをする一方で
 民主党はじめ全政党で
 強まる原発見直し
 横田 一

「安全」と言われ続けてきた原子力発電所。
この国の「安全」は本当に信用できるのか。
疑問を持つ国会議員が超党派で動きはじめている。

■緊急声明
 上関原発建設中止を求める
 ジャーナリスト・言論文化人の会



以上です。

興味をもたれた方は、大手書店で購入ください。。。

今週の「週刊文春」も頑張ってます。こちらも参考になります。