福島第一原発 3号機の圧力上昇 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

今日は自衛隊によって、4号機に対して午前と午後の2回で合計160トン放水されました。
昨日、3号機に対して消防庁による連続放水が大成功したので、今日は4号機に連続放水するのかと思っていたのですが、今日も3号機に対して行うようです。
なぜそう判断したのか、ちょっと不思議な感じがしますが、理由がはっきり示されていないのが気になります。

5号機・6号機の方は外部電源と接続が完了し、冷却系統が稼働し始めたようで、これらについては危機を脱したと言えるのだろうと思います。

しかし、今日の報道で「原子炉の水温が100℃未満に下がった」って、100℃以上になってたとは知らなかったし、そもそもこれらは燃料保管プールに使用済み核燃料が保管されているだけで、原子炉内には何もないと思い込んでいましたが。。。

よく調べると、東京電力の3/19午前0時の報告に、「5、6号機の原子炉建屋屋根部に、水素ガスの滞留防止のための穴(3箇所)を開けました。」と書かれていました。これは何だったのか、報道でも触れられていなかったように思いますが。
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1361-j.pdf

本日、もっとも気になる情報は、3号機の格納容器の圧力上昇です。

一時期、格納容器内のガスを冷却水を通さずに排気することが検討されていました(この場合、今までより多くの放射性物質が外部に放出される)が、幸いにも圧力が下がったため、この操作を中止しました。

しかし、圧力が上がってまた下がったことの原因は不明のようで、枝野官房長官も、3号機はなお予断を許さない状態が続いているという認識を示しています。


現在の状況がわからないので、私には原因の推定は困難です。

読売新聞の、最終的に実施しなかった作業についての情報は次のようです。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110320-OYT1T00334.htm?from=main7

 東京電力は20日、福島第一原子力発電所3号機の原子炉格納容器の圧力が再び上昇を始めたとして、格納容器内の蒸気を外部に放出して圧力を下げる操作を再度行うと発表した。


 圧力は同日午前1時10分には約2・8気圧だったが、同4時30分には約3・4気圧になった。現在、所内で行われている電源の復旧作業や放水作業などは中断する。

 3号機は13日午前8時41分から蒸気を放出する弁を開けたままで、圧力が再び上昇した理由は不明。この弁が閉じてしまっている可能性があるため、復旧作業員などが退避した後、弁を開ける操作を試みる。

 それでも圧力が下がらなければ、別の弁を開けるが、冷却水を通さずに排気するため、強い放射能を帯びた物質が外部に放出される可能性がある。


(2011年3月20日13時44分 読売新聞)

「13日から蒸気を放出する弁を開けたまま」と。
ふつうに考えれば、これは格納容器を指しているのでしょう。
しかし格納容器で「蒸気」が発生するのはなぜ?
一方で、NHKの報道では「空気」とされているようでした。

どうも、何がどうなっているのか、理解できません。

原子炉の冷却のため圧力容器に海水を注入し続けているとのことで、蒸発して熱を奪ってくれた水蒸気をどこに逃がしているのかが以前からの疑問です。

電源がなくポンプが稼働していないのだから、凝縮させてポンプで反応容器に戻すことは不可能です。

したがって、圧力容器から格納容器への「蒸気を放出する弁を開けたままにして」逃がし、さらに格納容器本体から圧力抑制室に蒸気を送ってここで水と接触させて凝縮させ、水として排出している、と考えるのが自分としては最もすっきりしますが。

しかし、この場合は、圧力容器に海水を送り続け、そこから水蒸気だけを逃がし続けることになるので、圧力容器内の塩分濃度が上昇し続け、ついには溶けきれなくなった食塩が析出してしまうと想像されます。

これを避けるためには、ときどき圧力容器内の水を抜いて入れ替えることが有効ですが、この方法は燃料棒が露出して高温になり、水素ガスの発生が多くなる危険もあり困難かと思います。
あとは、蒸気は圧力容器の上部からしか抜けませんが、底部から水の一部も抜いているものか・・・。

遠くにいる単なる一技術者がよく現場をしらないで心配しているだけなのかもしれませんが、もう少し理路整然とした報告、およびマスコミの質問・報道がほしいものと考えます。