- たまには新しい本の紹介を。
- 『謎解きはディナーのあとで』 東側篤哉著。
年末に帰省する際に、書店で軽い読み物を探していて、目に付いたので買った。
帯の「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」という言葉に惹かれた。表紙のイラストもセンスがいいし。
自分は、この著者の本を読むのは初めて。
新聞のランキングで見ても、売れてるようですね、この本。
- 謎解きはディナーのあとで/東川 篤哉
- ¥1,575
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感想は・・・・設定が中途半端。大富豪のお嬢様といいながら、それが事件解決のストーリーとは何も絡んでこない。執事が毒舌なのも取ってつけたようだし、上司の刑事が金持ちという設定も、全く生きていない。
主人公と、執事や上司とのかけあいも軽すぎるだけで、さほど面白くはない。
まぁ、テレビ番組にでもしたら、それなりのプロットにはなるかも。
一方で、謎解きの読み物としては、結構いいと思う。
各話の前半で事件の謎が提示され、後半でその情報だけを元に、執事が謎を解明する。
どの話も論理の破綻はなく、なるほどと納得させられた。
短編ということもあり、物語としての深みはないが、パズルを解く面白さとしては、合格。
ヒマつぶしに読む肩のこらない本としては、まぁいいんじゃないかな。
刑事が大金持ちという同様の設定のミステリーとしては、筒井康隆著の『富豪刑事』がある。
深田恭子主演でテレビドラマ化もされてるので、知っている人も多いかと。
原作の主人公は男性なんで、読んだことがあった自分は、深キョン主演に最初はびっくりしたけど。
- 富豪刑事 (新潮文庫)/筒井 康隆
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『謎解きは・・』と違って、ちゃんと設定が生きている。
なんとも破天荒な、あり得ない話だが、筆者の力のおかげで、すばらしいエンターテインメントに仕上がっている。
筒井康隆は昔はよく読んだ、好きな作家の一人です。
同じ設定のふたつの小説、筒井康隆の圧勝ってところでしょう。