耳掃除は耳によくない? |  「カラダ」と「ココロ」をととのえ若返り! とまりしゅんいちろう のブログ

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今日のブログは、

カラダを元気に」の分野から

現役のお医者さんであり、

作家でもある

久坂部羊さんの「カラダはすごい!

モーツアルトとレクター博士の医学講座」らの引用です。


 

ひとつお断りしておきます。

以下の内容は、あくまでも

久坂部先生の「持論」です。

異論がある、ということも

充分ご理解のうえ、お読みください。

 

 

 

 

 

耳の穴は「外耳道」といい、

大人では直径0.8cm、

長さ2.53cmで、わずかに

屈曲しています。

 

短い穴ですが、

途中で構造が変わります。

手前の半分強は皮膚の下に

軟骨があり、奥の半分弱は

皮膚の下に硬骨があるのです。

そこからが頭蓋骨の穴と

なります。

 

下に軟骨のある部分を、

「外耳道軟骨部」といい、

細かい毛(ぜい毛)が生えていて、

「皮脂腺」や「耳垢腺」が分布

します。

 

耳あかは、ここから分泌される

脂肪や、角化した皮膚の脱落

したものです。それより奥は

さほど耳あかは出ないので、

耳掃除はあまり奥までする

必要はありません。逆に

耳かきを入れすぎると、

手前の耳あかを押し込む

ことにもなるので注意が

必要です。

 

耳掃除を強くやりすぎると、

外耳道を傷つけ、耳かきが

不潔な場合には感染の原因

にもなるので、過度の耳掃除

は慎むべきです。

 

さらに言えば、耳あかは

そもそも汚いものではなく、

外耳道の皮膚を保護する

働きもあるので、むやみに

取るのはかえってよく

ありません。

 

耳あかには、乾燥した

かさかさタイプと、

キャラメル状のねっとりタイプ

があります。後者は「ベタ耳」

ともいわれますが、これは

外耳道に汗腺が多いため、

耳あかに水分が多くなるのです。

 

「ベタ耳」は優性遺伝、

かさかさタイプは劣性遺伝で

伝わりますが、日本人は

ベタ耳は全体で約16

程度しかいません(北海道

では約50%)。

 

それに引き換え、

白人では90%以上、

黒人は99.5%が

ベタ耳だそうです。

 

ベタ耳の耳あかを取るには、

耳かきより洗浄のほうが

よい場合があります。

 

私が医務官として

サウジアラビアに勤務して

いたとき、大使館の公使が

耳がきこえにくいというので、

現地の耳鼻科に連れていくと、

診察した医師は公使の耳に

細かいテフロンのチューブを

入れ、注射器で微温湯を

流し込んで勢いよく洗いました。

するとおもしろいほど

大量の耳あかがあふれ出て、

公使ともども驚いたことが

あります。

 

 

 

 

久坂部 羊「カラダはすごい!モーツアルトとレクター博士の医学講座」参照