ここ数日やっと波は落ち、穏やかな海が戻ってきた。
 

 夜明けとともに、漁港から大船団が現れ、遙か沖に向かっている。


 最近の早朝、夜明け前の一瞬、たまに強烈な当たりがある。しかしほとんどフッキングしない。
 この日やっと掛かった70㎝のメジロ。久しぶりの大物でよく引いた。


 刺身にして当日と翌日食べてみたが、脂が乗ってなく、味が薄い。
 まだ少し時期が早いのか。


 残りは、バターたっぷりのムニエルに。
 これは絶品だった。パンでもご飯でも、お酒にもビールにも合う。


 やはり、この時期美味いのは脂の乗った戻り鰹。
 ついつい買ってしまう。



 今年に入って沖磯の石鯛釣りは五月に一度しか行っていない。二年前に仕事を辞め、この小さな海辺の町に住んでから、めっきり石鯛釣行の回数が減ってしまった。
 まだ仕事も家庭もあった頃は、忙しい中、予定をやりくりしながら、一年を通して月2回以上のペースで石鯛を狙って夢中で磯へ通っていた。


 今は毎日が休日で、渡船屋までも近くて何時でも行けるとなると、何故か沖磯への腰が重くなる。
 暑いので止めよう、波が高い、ウネリが収まってから、寒い、風が強いのでは、潮が悪そう・・・などと言い訳のように自分の中で行けない条件や理由を色々探し、納得させ、結果、足が遠のいてしまう。

 何かのせいにして前に進まない・・今までの私の人生と同じか。

 五月に釣れた45㎝の石鯛。



 それでもどうしても石鯛釣りの気分を味わいたくて、近くの地磯で竿を出してみる。餌は冷凍のカニや赤貝、磯についているジンガサなど。


 何も釣れないと分かっていても、竿を出すと胸は高鳴りワクワクと興奮状態になる。
 孤独な磯上での自然との対峙。そして浪漫溢れる、豪快無比な石鯛釣りの味を久しぶりに思い出して、武者震いが止まらない。


 絶好の秋晴れでとても気持ちがいいので、嬉々として竿先を見つめていると、何と突然揺れ出し、一気に舞い込んだ。
 「嘘だろう」と驚愕しながらも、慌てて思いっきり合わせると、とても軽い引き。
 上がってきたのは30㎝ほどのブダイ。
 上出来だ。早速、煮付けにしよう。





 一昨年の年末。夜の公園でのかんたろう。
 いつも、呼ぶとすぐに出てきた。 
  同じ頃の昼間の公園。
 帰ろうとしてもストーカーのようにいつまでも、ずっと着いてくる。
 可愛くて、愛おしくて・・後ろ髪を引かれる思いで、なかなか帰れなかった日々。 
 
もうすぐこの海辺の小さな町でかんたろうと暮らし始めて二度目のクリスマス、大晦日、そして正月を迎える
 今年はトンも一緒で賑やかだ。


 午后の温かい陽だまりで気持ちよく寄り添って眠るふたり。
 おやすみ、かんたろう、トン。
 来週はついに寒波がやってくるそうだ。
 もう、冬の到来か。