このブログを始めて一年が経った。
 そして、仕事も家庭も失いひたすら憂愁に身を任せていたあの孤独な時からもうすぐ二年を迎える。
 今過ぎゆく時の流れは早いのか、遅いのか私にはよくわからない。

 昨年の夏、出港間際の渡船

 ただ、勤め人であり家庭を持っていた頃とは明らかに時の過ぎゆく感覚が違っている。その上、何故か全ての事象に寂寥感と悠久さを感じるようになっている。そして、釣りの愉しみ方も変わったような気がする。
 これからは、悠々として急がなければならないのだろう。
 
 昨年の石鯛釣りの一コマ


 もう梅雨明けも間近なのか、どんより曇った日が続くが、最近雨はほとんど降らなくなった。


 この日も微妙な朝焼けの空。


 どんよりした雲の間から有明の月が覗く。


 いきなりジグを引ったくって言ったのは30センチ程のツバス。ほとんど抵抗も見せず、軽々と上がってくる。時々遠くの方で小さなナブラを作っているのはこいつだったのか。
 そして太陽が昇りきり、濃い橙色から輝ける白色に景色が染まる頃、いつものように遠くの海面をダツが飛ぶように走りまわるのが見えた。
 この様子では、シオ(カンパチ幼魚)がこの浜に回ってくるのも近いだろう。


 晴れたので、久々に蒸し暑い午后の漁港を彷徨する。


 潮騒と潮風漂う漁港の静かな光景は、儚さと侘しさを伴う日本の原風景をしみじみと感じさせてくれる。



 昨年三月五日、夜明け前の公園で捕獲し、この家に連れてきた日のかんたろう。夕方まで部屋の隅から出てこなかった。


 ところが日が暮れる頃には、すっかり落ち着いたのか大あくび。
 夜は一緒に寝たが、目が覚めては一晩中部屋のあちこちを探索しては確認し、いちいち驚いて「ニャオー」と鳴いていたのを昨日のことのように思い出す。


 暗い夜の公園で寒さに耐えるかんたろう。


 帰ろうとしても、いつまでもついて来た・・


 体も小さくまだ幼い感じ・・


 一緒に暮らし始めて一ヶ月くらい。まだ痩せている。


 床を転げ回る昨日の、大きくどっしりとした、かんたろう。



 仕事と家庭を失ったことに端を発する私の中空の心を埋め戻してくれた、その愛くるしい笑顔。


 ありがとう、かんたろう。
 ずっと一緒だ。