まさに今、夜明け前の緊迫したひととき・・。

 たちまち、見はるかす四方の光景は柔らかい青色に染まってゆく。



 濃紺の空がほんのり白み始め、水平線に鮮やかな橙色が広がり始めると、爽やかな薫風が海面を軽快に滑ってゆき、海一面に無数の小さなさざ波が走る。


 そして春の終わりを告げる熱気を伴った曙光が、ギラギラと眩いばかりに輝き始める。


 太陽は煌々と大島の真ん中から昇り、初夏の訪れを告げる。
 相変わらず、朝日に向かってただ虚しくジグを投げ続けるだけの日々が続いている。

 しかし、目まぐるしく変わる夜明けの情景を眺め、自然を全身に感じながらのジギングは退屈な日々を送る私にとって、かけがえのない至福のひとときだ。


 この日久しぶりに天気が良かったので近くの漁港を彷徨する。
 いつの間にか季節は変わり、突然の陽気に見舞われた私は半袖なのに全身が汗ばんでいる。
 
 海上に浮かべる大きな浮子かそれとも網や仕掛けの目印なのか、鮮やかな赤色の旗が目を引いた。


 潮風と磯の香りに包まれた人気のない、寂寥感漂う午后の漁師町。


 しばらくすると分厚い雲に覆われてきた。
 天気予報ではこれからもずっと雨模様が続くらしい。
 このまま梅雨入りしてしまいそうな雰囲気だ。
 (何と本日土曜日、統計史上最も早く梅雨入りしたとみられると発表があった。なかなか石鯛釣りに行けない・・)
 



 生協で冷凍うなぎの蒲焼を買った。
 こちらでは味わえない、蒸してからふっくらと焼き上げた関東風の逸品。


 山椒を多めにかけて、熱々ご飯の上に。


 大葉も少し散らして、付属のタレをたっぷりとかける。
 久々に柔らかくてとろけるような、美味しい鰻を堪能した。


 翌日は、一晩ニンニク生姜醤油に漬け込んだ地鶏・神山鶏の唐揚げ。二度揚してサクサクに。
 ビールもご飯も進む。


 別の日。
 スーパーの黒毛和牛の切り落としが安かったので、塩胡椒醤油だけの薄味で玉ねぎ、キャベツと炒める。
 暑くなってきたので、ビールに合う。


 つまみは以前特売りで買っていた蟹缶を開ける。



 少し水っぽいので残りは米酢と和三盆で和えた、キュウリとワカメの酢の物に入れる。
 干しエビとちりめんも少し足して。


 蟹缶の汁も入れたので旨味が増し、マイルドで食べやすい酢の物になった。


 別の日、珍しく朝獲れ地元産の巨大なモンゴウイカがあったので思わず買ってみた。


 大きいので捌いたあと、部位に分け、冷凍して寝かす。
 ほんの少し、身のところを冷凍せず取っておき、刺身にして少量の醤油漬けで食べる。
 アオリイカと違って柔らかく、分厚く、旨味も濃い。熱燗で。


 やはり主食は鰹の刺身。まだ脂が乗っていないが、生姜醤油にマヨネーズを混ぜて頂くと旨味が増して戻り鰹風の絶品に。
 ご飯でも、熱燗にも、ビールも、何にでも合う。




 少し元気のない疲れ気味のかんたろう。
 最近荒れた天候が続き、雨や風の音や暗い日中が大嫌いなかんたろうは、少ししょぼくれている。


 それに最近スマホを向けると緊張して構えるようになった。笑顔がない。



 下手をすると逃げ出す有様だ。

 呼んでも目を逸らす。


 そのくせ、夜中目が覚めて布団の中でスマホをいじっていると近寄ってきて、画面を覗き込んでは、そんなの見てはいけないと邪魔をする。


 でも、ときどきこんな表情を撮らせてくれるから、可愛くて仕方ない。


 おやすみ、かんたろう。
 当分、嫌いな雨が続くそうだ。