夜明けの薄明に、見事な朧月が仄白く浮かんでいる。



 春霞も最盛期を迎え、相変わらず生命力溢れかえる圧倒的なこの春の息吹に、私の生気は吸い取られていくばかりだ。

 おぼろげに霞む妖しい月影に、魂が抜き取られるような不安な気配を感じ、孤独な私の心は怯えて震える。



 河畔に咲き乱れている散り際の美しい桜花が、水面に淡く煌びやかに滲むように映る。
 狂おしいその妖艶な彩りと、芬々と香る淡い匂いが私の心を惑わせて、益々憂鬱にさせる。

 爽やかな新緑の季節が待ち遠しい。



 今週は荒れた時化の日が多く、波もうねりを伴って高く、早朝のサーフからのジギングに行けなかった。
 そこで、この日は曇天強風で少し肌寒い中、湾内の岸壁からゴカイをつけてのちょい投げを楽しむ。



 やはりまだ水温が低いのか活性は非常に渋く、何とか食いつくのはフグにキタマクラ、ミニカサゴのみ。  



 少しましな引きを見せてくれたのは、磯ベラ。
 しかし、持って帰れない魚ばかり。


 

 近くのスーパーの大創業祭で、地元の漁協が活伊勢海老の出張販売に来ていた。
 一匹千二百円。大きいのを選んで二匹買う。



 一匹は捌いて、身を刺身にしての踊り食い。
 濃厚な甘味がいつまでも口の中に留まり、旨味が次々と脳天を貫く。



 もう一匹は、そのまま蒸し器で酒蒸しに。
 ミソの部分をたっぷりと付けながら、ぷりぷりの肉厚な身を豪快に頬張る。
 口の中で涎が充満して溢れ出ようとする。それをそのまま熱燗で流し込む。



 刺身の残りはぶつ切りにし、定番の味噌汁に。
 熱い濃厚なお汁が口の中から喉元にかけて、ねっとりとした旨みの塊で満たしていく。
 喉越しの爽快感があとを引く。
 



 魚が釣れないので、地元産の朝獲れのぶりを買って刺身に。大漁なのか何と100gあたり140円にまで値下がりしていた。
 初日は身が薄いピンク色で少しコリコリとした食感。しかし脂の乗ったブリらしい甘味を感じて美味い。



 一日寝かした二日目の身は、ほとんど真っ白で白身の魚のよう。
 これは口の中に入れると大トロのようにジワーと甘い脂がとろけだす。絶品だ。



 別の日、地元では珍しくヒラマサが獲れていた。ぶりと比べてやはり値段は高めで100gあたり350円。




 早速刺身に。
 やはりヒラマサの方が数倍旨味が強い。カンパチにも近い濃厚な味がする。
 ぶりが熱々のご飯なら、ヒラマサは寿司飯に合う気がする。美味いけど、たくさんは食べられないか。




 かんたろうのためにAmazonで猫用の電動おもちゃを買った。

 強制的なダイエットのためだ。


 しかし、すぐに飽きる。
 体が重たすぎるのか。あまり動かない。



 窓から春に霞んだ外の景色を眺め、静かに黄昏れるかんたろう。
 公園での辛かった日々を思い出すのか。


 そんなこともないか。
 すぐ、甘えてくる。



 おやすみ、かんたろう。
 ダイエット、一緒に続けよう。