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ミューステシネマ

好きな映画、音楽、演劇、本について記録しています。


時間のある時の、暇つぶしとして見て頂ければ幸いです。

観ました。



「今度は愛妻家」




チャラチャラして、適当で、ぶっきらぼうで、でも、凄く良い写真を撮るカメラマンの北見。



彼を支え、いつも明るい、北見の妻・さくら。



結婚して10年。
素直になれず、いつも憎まれ口を叩く夫に愛想を尽かし、さくらは旅に出る。



北見にとって一人暮らしは快適だったが、生活の至る所にはさくらが存在していて、さくらのいない家は少しばかり暗かった。



2週間後、さくらは帰ってくるが、北見に離婚を切り出した。


「最後に写真を撮って」



さくらの要望で、久しぶりに写真を撮る北見。



やがてさくらは去り、北見は写真を現像するのだが、そこにさくらは写っていなかった…。






良いですねぇ日本映画。素晴らしいですね。



物語は淡々と進んで行き、初めからあった違和感が物語の鍵となる。




今度こそはと、伝える時はもう遅い。でも、その時は気付かないんだから仕方ない。



北見とさくらは、きらきらひかるの主演の2人ですが、全く別人。そして、とても素敵だった。
50冊計画の11冊目。


短編集
「I LOVE YOU」




男性作家6人による、恋愛アンソロジー。


伊坂幸太郎
「透明ポーラーベア」

石田衣良
「魔法のボタン」


市川拓司
「卒業写真」


中田永一
「百瀬、こっちを向いて」


中村航
「突き抜けろ」


本多孝好
「Sidewalk Talk」




全て素晴らしかった。知っている作家さんも、初めて読んだ作家さんも。



「I LOVE YOU」は、
外国の言葉だけれど、これ程までに的確なタイトルがあるか?ってぐらい、



ぴったりの表現であり、ぴったりの物語たち。



全て好きですが、本多さんの作品のお話しを。ネタバレですが(笑)




「Sidewalk Talk」



5年の結婚生活に、ピリオドを打つことになった一組の夫婦。


最後の晩餐。
もし、あの時、ああしていれば?違う答えを選んでいたら?


長い付き合いの2人は、そんなことに何の意味も無いと知りながら、一緒に過ごした日々を思い返す。


いつの間にか心が離れてしまったこと。妻を待つことにも、夫を待たせることにも限界が来てしまって、そして別れてしまえば、二度と会えなくなること。



そう知りながら、2人は迷うことなく、それぞれの道を行く。


晩餐も終わり、さぁ行こうと立ち上がった時。夫には、まだ思い出してないことがあった。



それこそが、2人にとって、一番重要なことだったのに。




人は、いつも最後に思い出したり、気付いたりする。



言葉に出来なかった、愚かな自分たちを責めながら、



もう、どうすることも出来ない現状を、静かに受け入れていく。


そんなお話しです。


ただ、さようならではなく、はじめましてに繋がる物語だと思うんですけどね。



五感の中で、記憶に直結しているのは、嗅覚。



ここからのラストシーンだけで、もう胸がいっぱいという感じです。



もっと歳をとって、結婚してみたら、もっとグッとくる作品ですね。
久々に映画の話を。


「ココニイルコト」



コピーライターとして働く主人公の相葉志乃は、とある理由で、東京から大阪へと転勤することになる。



さらに、今まで所属していた広告部から営業部への移動も伴い、志乃にとっては、全てがあまりに突然の出来事だった。


そんな中、志乃と同じ日に、中途採用で入社した前野という男性が、大阪へと配属される。



「ま、ええんとちゃいますか」



志乃の質問に対してそう答える前野は、否定もせず、どこかおどけた風の青年だったが、



前野のその雰囲気は、志乃の心を少しずつ開かせていく。



だが、前野は、誰にも言えない重大な問題を抱えていた…。




隠れた名作、といった感じでしょうか。すごい面白かったです。



「私は、どうしてこの場所にいるのだろう?」



そんな違和感を、いつの間にか取り払ってくれる前野君が素敵だった。



志乃ちゃんと前野君の適度な距離感が、たまらなく切ないですね。



昼間に星が見える、といった前野君の台詞の意味も、最後にわかるシーンがあって…。


少し疲れていたり、アクション映画などを観る元気が無い時に、選んで欲しい作品です。



よくある恋愛映画ではなく、大きな事件も起こらないけれど。