セクサドール | ☆SATOEMA萬画倶楽部☆

セクサドール

プレイコミックの傑作

 

「セクサドール」をご存知でしょうか?

 

 

 

 

かなり青年向けなので

 

学生時代の私は恥ずかしくて読まなかった石森作品です。

 

最近、読破して

 

もう、頭から離れません。

 

 

ま、結婚して娘もいる私なので

 

今さら、この青年向けマンガを読むことに

 

ためらいも何もなかったのですが

 

物語が始まってしばらくは

 

いわゆるエロマンガの展開で

 

あー・・・先生も勉強の意味で

 

こういう仕事をやられたんだなと

 

そう思ってました。

 

ところが、後半からは

 

石森テイストが爆発!!

 

 

セクサドールは、未来から来たロボットで

 

未来では、1999年の恐怖の大王(正体は超光化学スモッグ)によって

 

男性は精子を失ってしまったという。

 

そこで、未来人が人類存続のために

 

過去にタイムスリップし男性の精子を集める計画だったというのだ。

 

未来人は、間違って主人公の元へ配達されたドールを

 

なんとか取り戻そうとする。

 

しかし、主人公とドールの絆は強く、容易に引き離せない。

 

敵のあらゆる手段をかわしてきた二人だが

 

赤ちゃんロボにはかなわなかった。

 

なんとか、ドールから赤ちゃんロボを引き離した主人公だが

 

結果的に、ドールは片方の乳房を失ってしまう。

 

痛々しいドールと関係を持つことが出来なくなった主人公。

 

しかし、ドールは精子の採取のために創られたロボット。

 

こっそり、身を引いたドールは、ビルの屋上から自殺してしまうというエンディング。

 

 

これは、どうやって自分の気持ちを整理したら良いんだろと思いました。

 

悲しすぎる結末。

 

ドールは、すでに、人間の心を持っていたんですね。

 

それも人間以上に美しい心を。

 

それを知りながらも、主人公は悲しい男の性でフラフラしてしまう。

 

 

ドールは、1年間、主人公と暮らした時間を幸せだと言って死んでいった。

 

主人公は、ドールの死をもって、初めてドールの大切さを知った。

 

 

これは、女性に対し身勝手な男への警鐘だと思いましたね。

 

女性を性的な対象や、モノとしか見ていない男たち。

 

男尊女卑の時代ということもあったし

 

当時のプレイコミックって

 

いわゆるエロマンガみたいなのを期待された雑誌だったと思うのですが

 

そこで、先生が、多くの若者たちに警鐘を鳴らしたのではないかと思いました。

 

ちゃんと君たちは、女性の容姿ではなく

 

心を見ているのかと!

 

 

 

おそらく、編集からこういうのを描いて欲しいという依頼があったんでしょうね。

 

勉強熱心な先生のことだから引き受けたんだけど

 

描いてるうちに不安になったんでしょうね。

 

このマンガが、若者に与える影響を。

 

最後はきっちりと警鐘を鳴らしてくれる石森漫画は、

 

だから安心して読めるし

 

どこまでも、スマートでおしゃれで

 

かっこいいんだと思いました。

 

 

 

それにしても、ドールが可哀そうで泣ける。

 

しばらく、心の穴が塞がりそうにありません。