サイボーグ009(黙示編)第48話「宇宙の目」 | ☆SATOEMA萬画倶楽部☆

サイボーグ009(黙示編)第48話「宇宙の目」

サイボーグ009(黙示編)第48話「宇宙の目」

 

 

第三部

 

 

生れてこの方

 

愛する者が殺されるのを

 

見続けてきた・・・。

 

 

みんな死んでしまった・・・みんな。

 

みんなと一緒に

 

僕自身も死んでしまった。

 

 

僕はもう

 

何十回も死んだのだ。

 

 

もう、空っぽになってしまった。

 

もう何も残っていないのだ。

 

 

毎日、毎日

 

繰り返し、繰り返し

 

生きるために戦う。

 

 

何のために?

 

 

 

 

 

「フフフ、俺のセリフじゃねぇよ。

 

好きだった小説の中にあったやつさ。」

 

 

 

 

 

 

「僕らはまさに、悪という悪の生みの親の中にいるのだな。」

 

「そして、お前は、その中のちっぽけな善というわけか?」

 

 

 

黒い幽霊団を滅ぼすには

 

地球上の人類全部を

 

殺さねばならない。

 

なぜなら、黒い幽霊団は

 

人間たちの心から生まれたものだからだ。

 

人間の悪が、醜い欲望が作り上げた

 

悪の細胞だからだ!

 

 

お前が悪の細胞ならば

 

僕も細胞だ。

 

僕が死んでも、仲間たちが

 

悪を倒してくれる!!

 

 

 

 

「ジョーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

「ごらんよ!009。宇宙の花火だ。黒い幽霊団の最後だぜ!」

 

「ダメだジェット!無駄死にしては・・。」

 

「おっと、もう遅い大気圏突入だ。

 

ジョー・・・君はどこに落ちたい?」

 

 

 

 

 

「なぜだ?なぜなんだ?

 

彼らはなぜ、私の理論値を超える動きをするのだ?」

 

 

「それは、彼らは人間だからだよ。エンキ。

 

彼らは機械じゃないんだよ。」

 

 

 

 

「イワン・ウイスキーか。お前に聞きたいことがある。

 

人間は、収穫に値するものなのか?」

 

 

「それは、自分の目で確かめてみるしかないよ。」

 

 

「・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

宇宙の彼方で

 

二人を見つめる

 

一つの目があった。

 

 

 

 

つづく