サイボーグ009(黙示編)第4話「ベルリンの壁」
サイボーグ009(黙示編)第4話「ベルリンの壁」
2020年8月
アルベルト・ハインリヒは
かつてベルリンの壁があった跡地に立っていた。
「ここで、すべてが狂ったのか?」
もう、50年以上前の出来事になるだろうか。
第2次世界大戦のドイツの無条件降伏によって
ドイツは東西に分裂した。
東ドイツの社会主義に不満を持つ人々は
次々と西へ逃亡した。
そんな冷戦の時代に悲劇は起きた。
ハインリヒは、東にいた恋人ヒルダの逃亡を手伝った。
しかし、逃亡は失敗し、ヒルダは死んだ。
「ここは・・・俺の墓だ。」
鉄製の拳を握りしめ、その異音によって、我に返るハインリヒ。
その時・・・
突然、周りが明るくなり
一筋の光がハインリヒを照らした。
「人間ガ愚カナ戦争ヲシナケレバ、オ前ノ恋人モ死ナズニスンダノデハナイノカ?」
ハインリヒの目の前に、天使が現れた。
つづく