「現代版組踊 息吹~南山義民喜四郎伝~」という舞台があります。福島県会津地方の、小学生から高校生までの子供たちが演ずる舞台です。
「現代版組踊」とは、もともとは沖縄の舞踊です。脚本・演出家の平田大一さんが、沖縄の伝統的な踊りを現代風にアレンジしなおしたもので、これを会津の子供達が演じるようになったのは2010年のことでした。
喜四郎は享保5年(1720)、会津御蔵入騒動と呼ばれる事件で農民の窮状を幕府に直訴し、そのために処刑された実在の人物。もともとは埋もれていた地域の歴史を知ることでその地域に生きることに誇りを持つことが大きな目的だった舞台です。
それが東日本大震災で福島県が大きな被害を受けたことにより、復興を願い、福島県から「元気」を発信するという目的が加わりました。
高校生までの子供達が演じる舞台なので、メンバーは毎回、変わります。今回はこれまでメインキャストを演じていた子たちが多数卒業し、配役が大幅に入れ替わりましたが、それぞれ違った個性を出して、自分の役柄を演じていたと思います。
今までのメインキャストのインパクトが非常に強かっただけに、その後を受ける子のプレッシャーは大きいと思いますが、いちいち比較せず、自分が感じたその役柄を演じていってほしいと思いました。
喜四郎は享保5年(1720)、会津御蔵入騒動と呼ばれる事件で農民の窮状を幕府に直訴し、そのために処刑された実在の人物。もともとは埋もれていた地域の歴史を知ることでその地域に生きることに誇りを持つことが大きな目的だった舞台です。
それが東日本大震災で福島県が大きな被害を受けたことにより、復興を願い、福島県から「元気」を発信するという目的が加わりました。
高校生までの子供達が演じる舞台なので、メンバーは毎回、変わります。今回はこれまでメインキャストを演じていた子たちが多数卒業し、配役が大幅に入れ替わりましたが、それぞれ違った個性を出して、自分の役柄を演じていたと思います。
今までのメインキャストのインパクトが非常に強かっただけに、その後を受ける子のプレッシャーは大きいと思いますが、いちいち比較せず、自分が感じたその役柄を演じていってほしいと思いました。
今回は、これまであまり目立たなかった登場人物にも個性的な子がキャスティングされ、舞台全体の厚みが増したと感じられました。
また小学生のキャストも、なかなか難しい役をよく演じていました。
周囲の大人達の支えももちろんあったでしょうが、大きなホール、ほとんどが大人の観衆の前で、子供達は本当によくやっていたと思います。
「泣くな、泣くな村の民よ。
この先何が起ころうとも、我らの魂は、時をかける息吹となって、いつでも、どんな時でも、この福島に、新しい風を吹かせてくれよう。」
この先何が起ころうとも、我らの魂は、時をかける息吹となって、いつでも、どんな時でも、この福島に、新しい風を吹かせてくれよう。」
処刑される直前の、喜四郎の台詞です。
「この福島に…」
江戸時代の農民が決して言うはずのない言葉です。が、この一言が、この舞台を象徴しているように思えます。
福島はいまだ、大変な状況にあります。復興はまだ始まったばかり、というより、先行きの不透明感は以前よりも増しているかもしれません。
農民の窮状を救おうと自らの命を投げ出した喜四郎たち、「南山義民」と言われる人たちが、300年の時を越えて、困難な状況にある福島の人々を励ましているようです。
それに続く、喜四郎の台詞。
「今何をなすべきか、魂の声を聞け。天の声を聞け。
我らが道は、我らの意志で、切り開くのじゃ。」
我らが道は、我らの意志で、切り開くのじゃ。」
子供達は、まるで喜四郎の魂を受け継ぐかのように、見事な舞台を演じました。
我々大人にも、もっとできることがあるだろう。そう痛感させられる公演でした。