浅羽由紀さん、そしてラポールのこと | とむりん Logbook

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「ラポール」と呼ばれているアーティストがいます。
出入りはあるのですが、現在は浅羽由紀さん、高橋涼子さん、椛島恵美さん、瑠愛(ルア)さん、阿部静華さんが所属しています。
「ラポール(rapport)」は、「才能溢れるアーティストを世に送り出すプロジェクト」です。内容については、プロデューサー・T1さんのブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/sunsetrave/archives/52027391.html


この「ラポール」、何人ものアーティストがいる訳ですが、その屋台骨を支えるのはなんといっても浅羽由紀さん。その浅羽さん、少し前になりますが、6月2日、意外にも「人生初」となるワンマンライブを横浜市の大倉山記念館で行い、大盛況のうちに終了しました。


ラポールアーティストに共通していえることですが、特に浅羽由紀さんの音楽は、既製のものの焼き直しではなく、ましてや消費者の食いつきを良くするために人工的に甘味が加えられたものでは決してありません。自らの体験や、自身に深く関わった人たちの「生き様」をもとに、その音楽はつくられています。いわば、色々な人の生きた証しが、浅羽さんの歌に凝縮されているのです。


その歌を受け取った聴き手は、そこで歌われている名前も知らない人の生き様を、自分の中に取り込んでいきます。すぐに、という訳ではないのですが、これが結局は、聴き手の生き様にも反映することになります。


人間生きていると色々あります。「色々」といっても、大概ロクなことはない訳で、そんなことが続くとやっぱり意固地になったり投げやりになったりしがちです。斜に構えて冷淡に生きることは、慣れてしまえばその方がよっぽど楽だからです。でも一方、それではいけない、前を向いて歩いて行かなければ、という気持ちも、強弱はともかく、誰しもが持っています。浅羽由紀さんの曲で歌われている人たちの生き様は、そんな心を支えてくれます。躓いたり転んだり、ぬかるみに足を突っ込んだりして、軽快な走りにはほど遠い人生を歩む者たちに、それでも次の一歩を踏み出そうとする気力を起こさせてくれるのです。



ところで、「ラポール」とは元々は心理学の用語で、「信頼に基づく人間関係」という意味なのだそうです。家族や友人のような関係、と言い換えてもいいでしょう。
ラポールアーティストとそのファン、もしくはファン同士の関わりを見ていると、その名の通り、大きな家族のように思えることがあります。
現代は「『個』と『孤』」の時代といわれ、村や町、親族だけでなく、家族までもが崩壊し、孤立した個人が多数存在するとされます。私もそれは確かだと思っています。
これに対し、「昔は良かった」的な郷愁を述べても全く意味はないと思うのですが、一方で孤立した個人には押し寄せる荒廃に対抗する充分な力がないということもひしひしと感じます。
「ラポール」の活動が、こういう現状に何かの変化をもたらすのかどうかは、正直わかりません。ただ、音楽を紐帯として、親族でも隣近所でもない人たちがあたかも家族のように繋がりを持っていることは、ちょっと注目に値するのではないかと思っています。



2日の「人生初ワンマン」は、浅羽さん自身にとっても大きな転機になりそうです。
『青い鳥』という曲、曲調もこれまでと驚くほど違います。内容も、これまでは具体的なモデルがはっきり見えていたのに、この曲ではそれが昇華されて、より多くの人に想いを届けるものとなっています。
より広い活動に向けて、一歩踏み出したように思えました。



浅羽由紀さんについては、こちら、ご自身のブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/asabayuki/

代表曲のひとつ、「藤色の風」です。今回のワンマンのものではありませんが、場所は同じ大倉山記念館です。浅羽さんの故郷・静岡県藤枝市の応援ソングです。
http://www.youtube.com/watch?v=eCdIhO35Txw




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愛猫・ちくわちゃんです。浅羽さんの友達が拾って、結局浅羽さんが飼うことになったのですが、その時は医者から「とても助からない」と言われたそうです。それが献身的な看護によって生き延び、今ではすっかりラポールの人気者です。エサ代やペットOKのアパート代など諸経費をまかなうため、「ちくわDVD」も発売されています。
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