無名アーティストの海外進出 | とむりん Logbook

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この所、知っているアーティストの海外進出が相次いでいます。


筆頭は何と言っても『Kao=s』(カオス)。
http://www.kaos-japan.com/
剣舞&ヴォーカル、ギター、津軽三味線、尺八という、「和」を体現するバンド。
2012・2013と2年連続で世界最大の音楽祭、アメリカ・テキサス州オースチンで開かれる「SXSW」(サウス バイ サウスウェスト)に出場、大反響を巻き起こしました。


さらに『Kao=s』、今はドイツにいます。フランクフルトで行われる日本の映画・文化のフェスティバル「NIPPON CONNECTION」に出演するためです。そしてその足でイギリスに渡り、ロンドンで行われる「Japan Underground」に出演します。
さらにさらに、7月にはフランス。パリで行われるヨーロッパ最大の日本フェス「JAPAN EXPO2013」に出演します。
米・独・英・仏と、列強を制覇ですね。これからも世界制覇を目指してがんばっていくそうです。



その『Kao=s』と同じ「SXSW」に今年初参戦したのが『山﨑千裕+ROUTE 14 band』。
http://route14.rdy.jp/top.html
トランペット山崎千裕さんを中心としたバンドです。

渡米した際には、オースチンだけでなくアメリカ各地で演奏しました。トランペットの山崎さんが足を負傷するというアクシデントに見舞われながらも、各地で熱狂的に迎えられました。
その山崎さんは5月にフランスとドイツで演奏。また今月末には『ROUTE14band』で、カナダ・トロントのジャズフェスティバルに出演します。
こちらも、世界中を飛び回っていますね。



ギター弾き語りの高田リオンさんも、先月アメリカ・ボストンへのライブツアーをされています。
http://ameblo.jp/takadarion/
以前から世話になっていて、イメージソングを作ったこともあるラーメン屋さんがボストンに支店を出したことから、そこの社長さんが現地の方々と協力してツアーを組んでくれたのだそうです。
熱くストレートなリオンさんの音楽はボストンで受け入れられ、ライブ後の物販では毎回長い列ができたそうです。
http://ameblo.jp/takadarion/entry-11534215149.html



これから海外へ行く予定なのが『A for-Real』。
フランス行き。
http://ameblo.jp/mizu-aforreal/entry-11544639190.html
川崎の路上ライブで知り合ったフランス人の方が、『Kao=s』と同じ「JAPAN EXPO」に出演できないか交渉してくださったそうです。この枠は早い段階で一杯になっていたのですが、ライブハウスやストリートなどは可能、「EXPO」の方も何らかの形で関われるかもしれない、ということで、今月末から来月にかけて渡仏するそうです。
現地で『Kao=s』に会うかもしれませんね。


またピアノ弾き語りの有坂ともよさんは、この夏から長期間アメリカに滞在し、「修行」してくるとのことです。(現時点でメルマガのみの発表です。)
向こうでしか聴けない音楽に触れて刺激を受けるのも目的ですが、音楽ビジネスについても学びたいとのことです。
音楽をライフワークにするためには、これが必要だとお考えになったそうです。


ここに挙げたアーティストは、いずれも無名です。それでも海外では認められています。
日本人は昔から、権威づけられていない文化を蔑む傾向が強くあります。物を見る目が他人頼みなのです。
音楽に関しても、CDが売れない、ヒットチャートはアイドルばかり、と言われてもう何年もたちます。確かに、「ヒットチャート」ばかり見ていたのでは、「日本の音楽文化は衰退している」という評価しか出てこないでしょう。しかしこれではまるで、学校のテストの模範答案です。

実際、日本に素晴らしい音楽がないのかといえば、全く逆です。世界のどこに行っても拍手喝采を受けそうなアーティストはたくさんいます。上に書いたのはその一例に過ぎません。このことに気づくのは、日本人よりもむしろ外国人かもしれません。


不毛の土地に育った植物は、肥沃な土地に移れば凄い勢いで繁殖します。日本発の音楽が世界で先に受け入れられ、逆輸入されるようなことも、あながち空想ではないかもしれません。
(官製の「クールジャパン」などは関係なく。)