台湾系J-POPシンガーソングライター・洸美(ヒロミ)さんの企画ライブ、「開花(カイファ)~冬のアジアン音楽祭~」。それぞれのアーティストの持つ音楽の力が、まさに「開花」したライブでした。
出演は洸美さんの他、中国の楽器・二胡と歌のユニット「アカラ」、在日コリアン3世シンガーソングライター・みょんさん。いずれもアジアンなコンセプトのアーティストです。
最初は「アカラ」。二胡のこたにじゅんさんと、二胡・歌の中川えりかさんの2人組。オリジナル曲からワールドミュージックまで、ユーモラスな曲からシリアスな曲まで、広大無辺なレパートリーを縦横無尽に弾き、歌う、個性派二胡ユニットです。
これまで何度もライブに足を運んでいますが、一度として同じコンセプトのステージを見たことがありません。今回はかなり「和風」な感じのステージ。中国の楽器である二胡で日本の情景を表現するという、ある意味非常に「アジアン」な音の世界でした。こたにじゅんさんの柔らかく包み込むような二胡の音と、中川えりかさんの圧倒的に力強い歌声とが、今回も「アカラ」の世界を創りだしていました。
みょんさんはピアノ弾き語り。実は以前に一度ライブを見たことがあり、その時は「あまり印象に残らない、普通のピアノ弾き語り」だというのが率直な感想でした。
それが今回はまるで別人。韓国の伝統的なリズム「チャンダン」を取り入れた楽曲や、民話を音楽劇風にアレンジした曲など、まさにみょんさんにしか出来ないステージを見せてくれました。韓国語の曲、韓国語を交えた曲もあって、意味はもちろんわからないのですが、敢えて韓国語で歌うことで、却ってその曲の「心」が伝わってくるようでした。
「チャンダン」の独特なリズムに観客参加を促したり、民話の世界に引き込んだりと、ステージ運びも見事。知らない間に凄いアーティストになっていました。
(鮮やかな色のチマチョゴリで登場しましたが、とても可愛らしかったです。~下の写真参照~)
トリは企画者でもある洸美さん。「アカラ」やみょんさんに触発されたのかもしれませんが、セットリストの一曲一曲がいつも以上に生き生きとして、何だか一回りも二回りも大きく成長したように感じられました。
「ほたる日和」という曲は、結婚される台湾のご親族の方に向けて作った曲で、半分くらいは中国語の歌詞なのですが、二人の門出を祝福する想いがよく伝わってきました。
「郷下(シャンシャア)」という曲は、映画「千と千尋の神隠し」のモデルともなった台湾の街の情景を表現した曲なのですが、ここに使われている、夕暮れを意味する「天黒黒(ティ オ オ)」という台湾語が、日本人である聴き手に、とても懐かしく響いていました。
今回は、沖縄ソングの定番「花」も、一部中国語でカヴァー。数多くのアーティストがカヴァーしているこの曲、新たに「洸美バージョン」が加わったようです。
そしてアンコールでは、洸美さんの持ち歌で、企画ライブのタイトル曲でもある「開花(カイファ)」を出演者全員でコラボ。みんなで歌うことで、この曲もとても大きく成長しました。
ライブ終了後の集合写真です。
前列は原創平さん(みょんさんのパーカッションサポート)。後列左からみょんさん、洸美さん、中川えりかさん(「アカラ」)、こたにじゅんさん(「アカラ」)、木村ハルヨさん(洸美さんの二胡サポート)、田中どぼん俊充さん(洸美さんのピアノサポート)。
「アカラ」のお二人とも、みょんさんとも、ライブ後にお話しすることができたのですが、一様に企画者としての洸美さんを高く評価していらっしゃいました。
「アーティスト・洸美」が注目なのはもちろん、「洸美企画ライブ」からも、今後ますます目が離せなくなりそうです。
出演アーティストについて、詳しくはコチラ。
http://hiromi629.jugem.jp/
(洸美さんオフィシャルサイト)
http://www.akara.jp/
(「アカラ」オフィシャルサイト)
http://ameblo.jp/10kmrun/
(みょんさんアメブロ)