韓国書店で今、総合売上1位は・・・ | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。

韓国に行くといつも書店に行きますが、それより前にテレビニュースでサイン会の話題を見ました。
日本の本でした。
日本人のおじさんがサインしてました。
誰かな?

今、韓国で一番売れている本・・・。

미움 받을 용기


http://book.naver.com/bookdb/book_detail.nhn?bid=8339910
原題『嫌われる勇氣 自己啓發の源流「アドラ-」の敎え』
고가 후미타케, 기시미 이치로
こが ふみたけ、きしみ いちろう


すごいですよね。
日本の本を韓国で知るって。
誇らしいような、くすぐったいような。

しかも上記の総合ベスト10に、日本の翻訳本が4冊も!ランクインしています。
逆に考えてみると、ちょっとありえない話でしょう。


昔から日本書籍の翻訳本はありました。
私が大学生だった30年前から日本の翻訳本は売られていました。
禁止されていたのは音楽CD、映画などの「大衆文化」であって、
文学本などは禁止ではなかったんです。

なので、日本の本が受け入れられてきた歴史は長いです。
曽野綾子、村上春樹、吉本ばななを始め、ベストセラーになることも珍しくありません。
ありとあらゆる日本の翻訳本が売られています。
『朝方人間』 아침형 인간 なんかも、数年前韓国でベストセラーになって
話題になってるのを知った本です。

上の本は日本でも売れているんでしょうか?
検索してみました。2013年の本なんですね。
新聞広告で見た気もするけど、よく知りませんでした。--


レビューを読むと大体どんな本かわかります。
面白そうですね。図書館で探してみようと思います。




言いたかったのは、韓国は「反日」と言われていますが、それだけじゃないということです。
日本の本がベストセラー1位になったり、テレビで日本社会や文化の紹介が日常的に行われています。
日本に対して広く関心を持っている人が多いなあと思います。

ベストセラーになってることについて「反日なのにどうして?矛盾じゃないの?」って聞くと、
韓国人の友達は「そうだね」とだけ言いました。



思うに、「反日」というのは、
自分の国が植民地になったことを反省する「警戒の気持ち」なんだと思います。
私たち日本人が先の戦争を反省し平和を誓ったり、再び戦争になることを警戒するのと同じく…。

私たちが学校で、戦争の時こんなことがあり、辛い経験をし、家族の誰かが死んだ。
「だから平和が大事。戦争は絶対ダメだ」と訴えるのと同じように、

韓国人は昔、国を失って辛い経験をし、民族性を否定された。
「だから二度と国を失うようなことがあってはならない」と誓うんですよね。

両国のベクトルはちょっと違うんですが、それぞれ精神の根幹を成すものだと考えます。

日本を警戒していても、(先を行く?)日本に対し興味を持つことは、相反することではありません。
新しい考え方を知ることができるからです。(昔は20年先を行っていると言われていました)

関心がある反面、警戒の気持ちもある。
日本では後者のみがクローズアップされてます。
韓国と聞けば「反日」のイメージになってますが、それだけじゃないことを知ってほしいです。
昔も今も、です。