原題:괴물 (怪物)
2006年
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ ペ・ドウナ パク・ヘイル
ポン・ジュノ監督の「吼える犬はかまない」と「殺人の記憶」、面白い映画でした。
3作目である、「グエムル」が韓国で公開された頃は、見るのを楽しみにしていたのですが・・・
(日本ではたしか9月2日に封切られた。日にちまで覚えているほど。)
日本での評判が悪く、期待しないで見ました。
感想は、こりゃー日本じゃウケないなと。
まあ、韓国で流行った理由も、映画を評価してではなく、
怪物が見たい、
ソウルに住んでる人なら一度は行ったことがある漢江から、
怪物が出て来るのが見たい!
という気持ちからではないかな。
娘の通う学校が당산中学とか、
アーチェリーのお姉さんが수원市役所に勤めているとか
見慣れた漢江市民公園が出るなど、
私が見ても、本当に身近に感じられました。
そういう身近さがなかったら、面白さも減少するだろうし。
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この映画は社会派映画だと思います。
メッセージが随所に込められているれど、
はっきり表していないので、
一般的な日本人はさっぱりわからないと思いますね。
終わり方もあっさりしているし。
強いメッセージを発しないから。
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ソン・ガンホの弟が大卒なのに백수[白手]=プー太郎。
(字幕はフリーターとなってましたが)
携帯電話会社に勤めている先輩をうらやましがるセリフもありましたね。
(まあ、その先輩も年収7千万Wー普通の3倍以上?、
借金も7千万Wとか言ってましたが。)
時代が2000年の設定なので、彼らはちょうど386世代に当たります。
386世代とは、1960年代に生まれ、1980年代に大学時代を送った人を言います。
ちょうどこの映画の時代設定、2000年頃に流行った言葉です。
当時30代だった。それで、3・8・6世代。
民主化のために闘い、軍事独裁政権を倒した世代です。
この映画は386世代に対するエールなのかなと思いましたね。
あの頃の情念を思い出してまた頑張れと。
あとは、
・アメリカと韓国の関係
・貧富の差
・カードローン破産
・ワイロ
・間違った情報を鵜呑みにして「右へならえ」する社会
・冒頭にあった、漢江に身を投げる重役って一時本当に多かった
そういうヒントが身近に感じられないと、この映画はピンと来ないでしょう。
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キャストですが、
主な俳優が今までポン・ジュノ監督が使った俳優そのままでした。
娘以外の4人家族が全員、顔に見覚えが・・・。
「殺人の記憶」の刑事と被疑者が兄弟って。。
ソン・ガンホは仕方ないとしても、他のメンバーは変えても支障はないと思うが。
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面白いセリフがありました。
동메달 땄단다.(トンメダル タッタンダ)「銅メダル とったんだ」
何気に日本語と同じに聞こえました。^^
【2016.2.11追記】----------------------
きのうヤフーブログのアクセス解析でこの語句が100人以上の検索アクセスだったので解説をしますと、
「銅メダル とったんだ」は韓国語と全く同じではなく、偶然です。
[銅] ・・・漢字語の発音なので似ていて、ドン 동
メダル・・・外来語なので、 メダル 메달
「を」の助詞は日韓ともに省略可能です。
(資格などを)とる ・・・タダ 따다
→過去形 とった・・・タッタ 땄다
とったそうだ。・・・タッタゴハンダ→(縮約)タッタンダ 땄다고 한다 → 땄단다
동메달 땄단다. 直訳は、「銅メダル とったそうだ。」 これが字幕で「銅メダル とったんだ」
それで音的に非常に似ている。 ドンメダル タッタンダ(どうめだる とったんだ。)
10年前の記事ですよ。
この頃はまだ30代のノリだったわ。ㅋ