暁斎・暁翠伝 富士美術館 | あおきゅーのぶらぶらアートブログ。

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展覧会の感想、美術館を巡る旅について、アートを本音でゆる~く綴るブログ。

JR中央線八王子駅から路線バスに乗ること約15分。
今回は富士美術館にやって来ました。
 

 
富士美術館は1983年に開館。創価学会名誉会長・創価学会インタナショナル(SGI)会長である池田大作によって創立された美術館。
「世界を語る美術館」をモットーに、西洋・東洋の様々な芸術作品約3万点を所蔵しているとのこと。

 

 
美術館のすぐお隣は創価大学
真向かいは創価学会の東京牧口記念館という何やら立派な施設。
 

 

僕自身は特定の宗教を信仰していることはありませんが、神社もお寺も教会も好きですし、新興宗教と言われるものもまぁ文化や経済の発展に寄与したり、皆が幸せになれるならいいことだと思ってます。

 

取り合えず美術館に行ったところで変な勧誘とかはないのでご安心を。

まぁ、日本中創価系の企業とか団体とか沢山ありますからね。

 

 

 

さて、そんな富士美術館で現在開催中の展覧会は“暁斎・暁翠伝 ─先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄─”

《会期4/1-6/24》

 

 
ここのところ人気が高まりつつある河鍋暁斎の展覧会です。
今回はなんとその娘、暁翠(きょうすい)も参戦!
てゆうか娘も画家だったんですね。
 
 
 
早速展示室へ!と思ったらその前に巨大な作品が。
 

 

こちらは複製ですがすごい迫力。

写真に納まりませんよ。

 

 

 

ところで、河鍋 暁斎ってだぁれ?うーん

河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい)(1831 -1889年)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師であり日本画家。

狩野派の流れを受けているが、他の流派・画法も貪欲に取り入れ、自らを「画鬼」と称した。

その筆力・写生力は群を抜いており、海外でも高く評価されている。

弟子にイギリスの建築家ジョサイア・コンドルがいたことも有名。(コンドルはニコライ堂や三菱一号館の設計をした人。)

 



展示室に入ってみると、朝一番で来たこともありガラガラって程ではないですが結構空いてますね。

常に他のお客さん何人かが視界に入るくらいといったところでしょうか。

 

さて、早速その河鍋暁斎の作品を見ていくと、

 

《枯木寒鴉図》暁斎明治14年(1881) 絹本 墨画榮太樓總本鋪蔵

 

暁斎お得意のカラス。
手慣れたもんですね。
筆致からスピード感が伝わってきます。

 
 
続いてはネコを抱いた美人を描いた作品。
 

《猫抱く美人》暁斎絹本 着色河鍋暁斎記念美術館蔵

 

先ほどのカラスとは描き方が全く異なりますね。
暁斎の引き出しの多さを感じます。
やや大きめネコのホクホクっとした表情がいいです。
 
 
 
続いては少し変わった作品。
 
《電信柱》暁斎、賛:山岡鉄舟紙本 墨画河鍋暁斎記念美術館蔵

 

電柱ですね。
この頃は電柱はまだ珍しかったんですね。
細長い絵が面白いですが、床の間とかにこれを飾るのでしょうか。
はなんて書いてあるのでしょうね。
 
 
また合作の七福神も面白い作品。
 
《七福神書画会図》暁斎・福島柳圃・柳田正斎・伊藤桂洲・大沼枕山・巻菱潭・龍川・服部波山合筆 紙本 墨画淡彩河鍋暁斎記念美術館蔵
 
七福神それぞれが自由闊達な仕草と表情がいいですね。
 
 
 
続いては版画作成。
 

《暁斎楽画第九号 地獄太夫 がいこつの遊戯ヲ夢ニ見る図》暁斎明治7年(1874) 大判錦絵河鍋暁斎記念美術館蔵

(※展示期間5/15-5/27)

 
暁斎、何をやっても凄いですね。
ちょっと分かりずらいかもしれませんが、後ろに描かれているのは沢山のがいこつ。
現代の漫画とかにも通じる活き活きとした表現。
あ、がいこつだからもう死んでますね。
 
 
 
さて、お次は暁斎の娘、暁翠の作品。
 
《羽衣》暁翠絹本 着色河鍋暁斎記念美術館蔵

 

暁斎と比べると、女性らしい繊細さと言いますか、丁寧で可愛らしく描けています。
 
 
 
 
続いても合作ですが暁翠の作品。
 
《百福の宴》暁翠(暁斎落款)・川端玉章・酒井道一 合筆 絹本 着色河鍋暁斎記念美術館蔵

 

こんだけお多福がいるのは不気味ですなぁ。
奥までズラッとお多福ですからね。
やはり やりすぎちゃうところが父譲りなんでしょうか。
でも面白い作品ですね。
 
 
それにしても暁翠もすごい才能、まさに親子鷹ってやつですね。
父と娘の親子鷹って現代で言うところの、どんな感じなのでしょうか。
 
アニマル浜口と浜口京子みたいな感じでしょうか。
 
暁斎も雰囲気的に「気合いだ!!気合いだ!!」って言ってそうですね・・・
 
 
 
最後の一室は現代に伝えられる暁斎の展示。
展示ケースの中にジャンプが置いてあると思ったら、あのONE PIECEにも暁斎は影響を与えていたとのこと。
 
 
下の方に描かれたナミさんのポーズが暁斎の描いた美人を元にされているとのこと。
写真だと分かりずらいと思いますがナミさんが見つめているのも暁斎が得意で頻繁に描いたカエルなんですね。
 
 
《横たわる美人と猫》暁斎絹本 着色河鍋暁斎記念美術館蔵

 

で、こちらが実際の暁斎の作品。
 
見つめているのはネコですが確かにそのまんまですね。
 
 
 
わざわざ八王子まで来た甲斐のある見ごたえのある展覧会でした。