アメリカよ『すみません』と云え原爆

 長崎県長与町の町史にその活動が記録され、残されるべき俳人・柳原天風子(本名・一由さん=故人)の句。社会詠に精彩を放った俳人です。

 この言葉、アメリカに言えるかどうか。恐らく言えないでしょう。そもそも日本国政府も迫らないだろうし、そして言わせないでしょう。

ケロイド消えぬ保険外交員のブラウス

 悲しい句、やさしい一句です。しかし「保険外交員」に強い平和希求の意志が感じられ、じんと染みこみます。

 俳人は、古里・長与のこと、原爆・平和のことに生涯をかけた人でした。生前、私も長与のこと、俳句のことなど、いろいろ教えて頂きました。(句は「驢馬ほどの山羊」より)。

 お世話になったその一つに、当時、私も活動に関わっていた町民の図書館運動「長与町の新しい図書館を想う会」の会報第6号(2004年4月)に、天風子さんから聞き書きの寄稿をいただいたことがあります。辛辣な声でした。

 お話を聞いていて、添付記事の通り新設運動に「図書館、必要ない」の声を公表してもなあ……と、とまどったのですが、今、改めて氏の説を読み返して大いに納得した次第です。

 私も今は本当に年に一度、郷土史関連図書を借りるかどうかといった程度の付き合いで、もっぱら利用は新聞閲覧コーナーです。専門書がなく書籍利用は長崎市図書館です。今、中国の軍閥の実態を調べているのですが、わざわざ長崎市まで出かけねばなりません。妻はミステリーなどエンタメ本をちょくちょく借りていますが、書店泣かせの購入費の節約です。

 と云うわけで以下、天風子さんの「私と図書館」を添付させもらいました。長与には文芸の他、植物、生物の研究や絵画や音楽の専門の方が多くおられるようですが、さて、長与町図書館を利用されているのかどうか。

 これまでアンケートなどで町民の意見を集めてこられたようですが〝答えない人々の声〟こそ聞きたいところ、と今になって思いついた次第です。

 そしてもう一人、この方の声も聞いておけばよかった。

 長崎を代表する画家の一人、前田斉さん(故人)。天風子さんの住まいの丁度、長与川を挟んで対岸、中尾城公園入り口を入って左の駐車場そばに住まわれていました。何度かお邪魔したのですが、会報第9号(2005年1月)の表紙絵をお願いしました。「エンドレス」(アクリル画)大それた事をしたものです。紹介します。