大相撲秋場所は上位陣総崩れの末、前頭3枚目の玉鷲の最年長優勝(37歳10ヶ月)で終わりました。もろさの目立つ三役陣に比べ、若貴景とともに、がっちり型の体つきで、その取り口も大関、横綱の風格さえ備えており、相撲ファン期待の星です。
千秋楽の解説は北の富士勝昭さん。ざっくばらんな本音の話しっぷりは面白く、ファンが多いようです。
で、千秋楽の記憶に残った解説を拾ってみました。
まず豊昇龍の取り口に「立ち会い、何をやりたいか分からなかったねえ」「立ち会いの変化は褒められることではないけれど、さすがに新大関、負け越さない」
4場所連続二桁勝利の若貴景に「盤石の足腰の備え、迷いがないですねえ。自分の相撲をこの年齢で。この精神力、どこから来るのか。ファン、家族のため?」
V争いの玉鷲ー高安戦で「平常心、言うのは簡単だけども、そうはいくまい、というのが相撲です」「落ちたら落ちたなりの相撲しかとれないといいますから、この世界は」。この二つ、どの世界でも通じますね。
次に滑稽味のある発言ー
正代のまたも黒星に「ため息が出ちゃったね」「(稽古場では)みんな忖度してやっていたといいますか、(それなのに)稽古が足りないと思いますよ」
思わず吹き出した迷解説二つ。
「宇良は相撲は面白いけれど談話はそれほど面白くないね」。〝おれの話は面白いだろう〟が暗に続いていそう。
さらに、勝敗際どい結果の一番について、向こう正面の解説・舞の海さんの「物言いがついていい」に対し、即座に北の富士さん「今場所はなぜ(物言い)つくの?というのもあったけどな」と〝肩透かし〟に。土俵際の粘り、すんなりいかないのが北の富士さんです。
九州場所も面白く本質を衝いた本音解説、期待していますよ。