夏の終わりを告げる風景が目立つようになりました。

 散歩の道々、柿の木に小さな青い実が鈴なりです。庭の朝顔もなぜだか、青に赤みが指した弱々しい花弁が目立ちます。赤色は旬を過ぎた証のようです。

 別種と思って、朝顔邸主人に教えを請うたのですが、はて、何のこと? ってな具合でした不勉強でした。調べれば簡単に分かること、別種ではありません。赤は青い花弁が萎んでいく知らせの色のようで、昼前にはみな赤みが差しています。萎んだ赤い花はほんの少しでも触れるとポトリと落下します。死に際の色のようでもあります。

 精霊バッタを見つけました。緑色です。バッタにはベージュ色もいますが、柿が実って赤くなるように、秋深まるにつれ色が変化するのでしょうか。カマキリもそうです。

 里山の拙宅。涼風が熱暑を和らげてくれます。4、5年前に取り付けた硝子の風鈴も縁が随分、欠けてしまいました。

 秋の虫の合奏に気付いたのは早一月前でしょうか。安らかな眠りに誘います。

 そして孫。夏休みの宿題の工作に慌てて着手したようです。黙々と用紙になにやら書いています。虎のような獅子のような…。孫は先日、娘と二人、唐津に一泊して唐津くんちの曳山を見てきたばかりです。

「じいじ!」と声が掛かり、粘土をこねる手伝いをしてくれ、と言います。「珠取り獅子」を作ると。待ってました! まだまだ出番はありそうです。夏の終わりの、これも季節の風景でしょう。