長与町も〝被爆地〟の話のつづき。

 長与町「九条の会」会報の記事を先日紹介しましたが、町議会が昨年12月議会で全会一致で採択した「核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書」にも「被爆地」がしっかりと明記されています。本年1月発行の町議会だより「みんなのギカイ」176号が報告しています。

 同意見書は、核兵器禁止条約が1月22日にいよいよ発効する情勢を受け、被爆者の強い思いにも触れて「長与町は、長崎市と同様の被爆地であり、平成6年9月19日『平和で安全な町』宣言を行っています」と平和希求の根拠、強い立場を表明。核兵器の無い世界実現に向けた国のリードを求め、「唯一の戦争被爆国として一日も早く核兵器禁止条約の署名・批准を行い、それまでの間は、オブザーバーとして締約国会議および検討会議に参加すること」を要望しています。

  県の担当課に伺ったところ、長与町在住の被爆者健康手帳の所持者は2,071人(令和3年3月末)とのこと。戦後76年の年月は、多くの被爆者を無念のうちに亡くしたことでしょう。

 

 長崎市と広島は、被爆地を表現する際「ナガサキ」「ヒロシマ」とカタカナ書きしたり、されたりします。そこには想像を超える未曾有の被爆体験の表現と、原爆投下が国際社会のあるまじき問題であることの表明が含まれています。

 そこで長与町も、被爆と被爆者、被爆地を表現する場合「ナガヨ」とカタカナ書きしてはどうでしょう。原爆被爆は世界で特別に悲惨な体験です。原爆被爆を〝主張〟する長与町を、遅ればせながらでも世に示してほしいのです。ヒロシマ・ナガサキに臆することなく「被爆地ナガヨ」と表明しようではありませんか。

 「九条の会」は、核兵器禁止条約締結国会議への吉田町長の出席を求めていました。大賛成です。早速、実現のための官民共同のプロジェクトチームを立ち上げてはいかがでしょう。

 被爆者の人々に手を振って笑顔で送られてこその同会議出席です。もう後の無い被爆者の皆さんに、「平和の安心」を抱いてもらうこと、これほどの大事業はほかにないと思うのです。