令和3年第1回長与町議会定例会の一般質問が3日始まった。傍聴自粛は続いているが現場感覚に浸りたくて久しぶりに傍聴席に座らさせてもらった。
5人の議員が登壇。ベテラン議員は町行政の深い理解の上に立って理路整然、当局の取り組みを正し、若い議員は新しい発想で新提案をアピール。中堅の女性議員は生活感覚あふれる姿勢で、ごみ問題の解決を粘り強く迫った。
中でも長与町議会で初めてというパネルを掲げての質問が八木議員からあり、傍聴を自粛して巣ごもり生活にある町民にSNS映像から情報を提供。分かりやすい質問にも寄与しており、他議員からも好評だった。
八木議員は町長肝いりの「遊び心のある町」づくりのスローガンを評価しつつも具体性が無い点を指摘。自ら積極的に提案した。
パネルは全部で4枚。A2の大きさの薄い発砲スチロール板。図柄はパソコンで写真やカットを加工、あるいはオリジナルのデザインを制作した。絵は板の裏表に同じものを張り、執行部席と傍聴席(カメラ席)に同時に見えるようにし、傍聴を自粛しライブ映像を見ている町民に配慮が届いた分かりやすい質問となったようだ。
長与町のマスコット・キャラクター「ミックン」を描いたバイクのナンバープレートやマンホール蓋。パンダの姿をした和歌山市の移動図書館の車両のデザイン例、長与の色をイメージしたタータンチェックの町のシンボル的デザインなどを提案した。
パネル持参の質問は、県議会では縦2メートルもありそうな立て看板が持ち込まれた例があるといい、町議会でも波佐見町の例などあるようだが、まだ広がりは弱く、慣例とはなっていないようだ。長与町議会も時代を見据えた先進例として、これから工夫を加えた質問の可視化策が迫られるのではないだろうか。
一般質問初日は、ほかに金子議員の〝美しい町〟を見据えた違反ごみ対策を迫る質問が聞き入らせた。
春に野の花が咲き乱れるミカン山の里に住む者にとって、ゴミ捨て問題は常時、みんなで考えて取り組む課題と認識している。山里は地主さんの持ち物ではあっても新住民にとっては豊かな自然環境。みんなの力で守っていきたい。さらに、この美しい生活空間を汚す違反ゴミは、だからこそ余計に目につき、地域の人々を幻滅させる。
私の住む地域は、たまに空き缶やペットボトル、ビニール袋が草むらにパネルを掲げる議員(上)と紹介されたパネル(下)
捨てられているが、概ねきれいで、違反ゴミもないようだ。他地域を散歩していて違反ごみが、かなりの期間、放置されたままの状態を目にすることがある。
この度、自治会の役員さんから、ごみ収集の手伝いを依頼された。お二人の普段の頑張りぶりや収集の内容をお聞きするにつけ、普段、散歩で享受している美しい自然は、この方々の苦労があってのことだと改めて気付いた。自然環境は守る努力があって維持されているという、人の苦労に今頃気付いた次第。金子議員の生活感覚あふれる弁論に感動、おおいに賛同した。
町議会傍聴は面白い。そして生はやはり面白い。自粛が晴れる日が待ち遠しい。