昨日の午後4時ごろのこと、長与川沿いを自転車で走っていると、全身黒い羽に白い嘴の見慣れないカモ?がゆったりと浮かんでいるのに出くわしました。いつものカルガモとは違う、燕尾服を着たような高尚な風情の水鳥。仲の良い番いのようです。周辺にはいつものカモやサギはおらず、なぜかこの2羽だけ。ゆうゆうと、デートを楽しんでいるように見えます。
帰宅して調べると「オオバン」とのこと。ツル目クイナ科とあり、冬は本州以南で越冬するものが多いと。年に2、3回産卵。水辺や水中の植物の中に雌雄で巣作りする、とありました。この〝夫婦〟も産卵準備の最中だったのかなと、まるでデートのように遊泳を楽しむ様子を思い出してニヤリと笑みが浮かんだのでした。
捕獲は違法とのこと。埼玉県では絶滅危惧Ⅰ類。栃木、千葉、大分県では同Ⅱ類。山口、沖縄県など全国8県で準絶滅危惧種に指定されています。
付いたり、離れたり、突然もぐったり…。ゆったり浮かび戯れる姿はまるで紳士と淑女の社交ダンスを眺めているようでした。「英名COOTはケルト族の本種を指す呼称に由来するという説もある」というから、ロマンを秘めた野鳥ですね。
無事、長与で産卵と子育てを成就するよう祈りましょう。