私の在所は長崎県長与の中山間地。昔からミカン農家の多い土地柄で、季節には緑の葉と黄色いミカンが辺りを彩ってくれます。おのずと気持ちが華やぎ、和ませてくれます。

 ミカン園の土手際に槙の木などが植えられ、秋にはヒガンバナ、冬には水仙が咲き誇ります。さらに季節の野の花が、イラクサの繁茂に挑むように土手沿いに群れて咲き、目の保養になっています。

 今は、庭や畑地から道路に枝を張り出した柿の木が、赤い葉っぱをばらまいています。大きな葉の模様が、散歩に彩を添えてくれます。その同じ道に、山茶花の大きな古木が白い花を絨毯のように散り敷いています。この山茶花の太目の幹に根付いた猿の腰掛はきょうも健在です。ツワブキの黄色い花はいよいよ終わりのようです。

 こんな自然環境を身近にすると、ここが生活の地ではなくて別荘地のごとく思われもします。

朝の散歩に始まり、自転車に乗ってこの道を一日に何度行き来するのでしょう。

 コロナ禍の中、令和2年もいよいよ師走を迎えます。なんだか生暖かい日が続く今日この頃です。冬はやはり思いっきり寒くなってほしい。そんな季節の厳しさが山間地には似合うと思うのです。写真は上・葉が落ちた柿の木と山茶花の落花、下・柿の葉の絨毯とツワブキ