地元町議会の委員会を傍聴させてもらった。

 委員会では、今議会に提案された議案のうち、委員会関連議案を審議して本会議提案の是非を決める。

 議案の一つ、ある地区の公民館に併設されている温浴施設廃止の提案に審議が沸騰した。

町側の提案は、ボイラーの故障を機に修理費の出費を考えて廃止となったようだ。温浴施設は他の地区にも1か所あり、代替が可能との判断。さらに背景に、町はいずこも同じだが「財政の健全化」「無駄をなくす」方針があるようだ。

 議員委員)からは、たった2度の住民説明会では納得できるはずない、と反対意見がくすぶっている現状が明かされた。さらに担当職員の「利用者が固定化している」の発言に対し、温浴施設は住民同士の交流の場、高齢化を見据えると必要、などと施設の役割および、原点的考えを披歴し、廃止に至る手続きに疑問を呈した。

 この議論、聞いていて、とても勉強になった。

 町の重点施策を念頭に、トップの意向を受けて住民(議員)に向き合う担当職員。彼らの目が俯瞰する鳥の目とするなら、対する議員の目は地を這う蟻の目。議員は支持者の声を届けようと強く主張する。職員は議員の賛同を求めて、ただただ平身低頭だ。

 「住民自治と民主主義」という分かったようで分かっていない言葉を思った。

 総じていえば、町側は〝手続き民主主義〟、議員側は〝納得民主主義〟とでも言おうか。

この謂いで考えると、町側の2度の説明は民主主義不足といったところか。

 国政の忖度病は重症だが、地方に決して感染させてはならない。職員さん方には、庁内のやり取りよりも町内でのやりとりを大事にしてほしい。もっともっと汗をかいてほしい。そして議員さんたちにエールを送りたい。―そんなことを委員会論議を聞いて思った。