自作エフェクター その11 「BOSS ディストーション DS-1 」 | とれすけのブログ

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 第11弾はこれまた定番といっていいエフェクター、BOSSのDS-1です。

 

 DS-1は実機も持っていたのですが、数年前に売ってしまったので、この際作ることにしました。腕試しという感じもあります。発売されてから随分と経ちますが、まだ現役販売されていますし、技クラフトでもラインナップされています。

 

 

 

 

 前回ご紹介したのがSD-1、今度はDS-1で、これはディストーションということになるのですが、BOSSのオーバードライブ、ディストーションは機種が多いだけにネーミングが似通っていて、名前だけではもう分からなくなったりしてしまいます。

 

 DS-1はディストーションの定番といってもいいモデルですが、実際に私が手にしたのはもうだいぶ歳をとってからのことで、あまり使った実績のないエフェクターということになります。手に入れた頃は、もう他にいくらでもいいディストーションがある状態だったので、比較検討して不採用ということになりました。歪み方はいいのですが、なんか少し線が細くなってしまうような感じで、その点だけがマイナス要素でした。

 

 今回は、バリエーションを揃えようということで、回路的にも手が出しやすいので、製作に至りました。

 

 回路図を見ると、基本的なダイオードクリップのディストーションで、シングルタイプのオペアンプとトランジスタで構成されています。

https://i.pinimg.com/originals/77/1c/13/771c13a12b30ac47733ce1a21fdb27eb.jpg

 

このままでもいいのですが、DS-1というのは色々とMOD(改造)ネタがあって、せっかくなので実機で感じていた問題点を解消できそうなこちらの回路図を参考にさせて頂くことにしました。

 

 但し、オペアンプは指定のものではなく、個人的に好みのTL072を使うことにしました。トランジスタも汎用品の2SC1815、その他電源部はよく使われる抵抗分圧回路、スイッチはトゥルーバイパス配線にしてミニペダルサイズに収まるようにしました。

 

 デュアルタイプのオペアンプ2つとトランジスタ1つで、回路的に長いので、収めるのに結構苦労しました。

基板図作成からレイアウト図作成までは、まるでパズルのようで、どれだけ知恵を絞れるかみたいなところがあります。

調子がいいときはスイスイとアイデアが浮かんで、綺麗に収まったりするのですが、煮詰まっている時は何度も書き直して、それでも満足がいかない、なんか不恰好な収まり方になってしまったりと、この辺が面白いというか、苦しくもありますが楽しい部分でもあります。

 

 製作数が増えるに従って、失敗の頻度が下がってきます。今まで製作したもののトラブル解決を必ず行なっているので、原因が把握できています。その点を注意して作成し、点検時もそれらを重点的にチェックすることで、未然にトラブル防止ができるようになってきました。

 

 塗装は、BOSSカラーのオレンジです。これもアクリルカラーですね。アクリルカラーは乾きが遅いと書いてきましたが、上面に貼るラベルは、そのおかげで多少の浮きがあっても最終的にはキレイに貼り付く感じです。

 

 さて、音出しです。

ディストーション、トーン、レベル各つまみを適当な位置にしてアンプを鳴らしてみます。なんかよく歪みます。倍音が多い感じです。ちょっと歪みすぎで、そのせいで音痩せ感が出てしまいます。

 トーンは効きが極端な感じですね。回路的にはローパスとはイパスフィルターを通した音のMIX割合を調整する感じなのですが、ハイパスが効き過ぎる感じです。この辺は自分的には定数を変えたいところです。

 ディストーションは、レベル0でも歪んでいます。上げてゆくとかなり歪みます。音色はメタルというよりはひと昔前のハードロックという感じです。どうもやっぱり使いづらいかなと思ったのですが、トーンをやや甘めにして、ディストーションは最低のところが、クランチでもなく、割合気持ちのいいドライブ感が出せました。チューブアンプを組み合わせるといい感じの音になりそうです。これは用途次第ですね。こういう音が必要な時に組み込むイメージです。

 

 MODの回路を参考にして作ったのですが、オペアンプやトランジスタの違いもあって、本来の音とは違っているかも知れません。ですが、これもまたひとつの結果で、最終的には使えるか使えないか、ですね。まあ、使えないものでも、製作の経験は必ず次につながりますし、それよりも、なんといってもやっぱり一回は試してみないと気が済まないという心情が先にたってしまうということなんでしょうね。もっとも、製作過程が楽しいということが一番の要因かも知れません。

ということで、まだまだ製作が続きます。

 

 計画中のBOSSのアナログディレイ DM-2は足りない部品を発注しました。基板図は1回書き換え、ようやくレイアウト図が出来ました。18x24ホールのユニバーサル基板1枚に収めるため、3〜4時間くらい頭をひねりました。フランジャーよりはシンプルですが、この規模だとかなり苦労します。部品漏れの可能性があるので、一旦回路図と付き合わせてから製作に取り掛かる予定です。ネタとしては、独立したエフェクトアウトを設定する予定です。今販売されている技クラフトのDM-2Wとおんなじ形ですね。その辺の回路がまだ未確認ですが、DM-2の実機を持っていた頃やりたかったことがようやく出来そうです。