エフェクターボード、暫定版 | とれすけのブログ

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 今日はちょっと一息入れて、暫定的に組み上げたエフェクターボードのご紹介。

以前にも増して密度が上がっています。

MIDIループスイッチャーを核として、増幅系はアナログ、モジュレーション、空間系はデジタルでまとめた新ボードになります。

 

まずは一通り機材から。

接続順で、

BOSS WL-60(ワイヤレスレシーバー)

自作信号分岐バッファー(チューナーへ信号分岐)

DAN ARMSTRONG Orange Squeezer(コンプ)

自作スイッチャー

 ループ1 自作JanRay VEMURAM(ブースター)

     自作MXR Phase90(フェイザー)

 ループ2 自作OverDrive/Preamp250(オーバードライブ)

     自作BOSS BD-2(ブルースドライバー)

 ループ3 自作YAMAHA CO-01(コンプレッサー)

     自作MXR Modified OD(オーバードライブ)

     自作YAMAHA TB-01(トーンブースター)

     BOSS BF-1(フランジャー,改造有り)

 

 

ZOOM MS-50G(マルチストンプ)

自作プリアンプ

BOSS DD-500(ディレイ)

BOSS RV-500(リバーブ)

自作プリアンプ&バッファー

自作ギターダイレクトボックス

 

となっています。

まず、ワイヤレスのWL-60です。BOSSがWLシリーズを発売した時から着目していたのですが、当初の製品はトランスミッターが充電式ということもあって、バッテリーの劣化が気になったんですね。バッテリーがへたったら交換しない限り使えなくなってしまいます。また、だんだん持続時間も減ってくるんじゃないかという懸念があって、パスしていました。そこへ登場したのが電池式のWL-60です。早速購入ということになりました。

 ワイヤレスシステムは中国製の安価な製品か、大手メーカー製の高級機の二極端になっていましたから、BOSSが製品化したことでようやく性能、価格共に納得できる物が出てきたなという感じでした。

 

 さて、このWL-60ですが、ワイヤレスの他にケーブルでギターを繋ぐことも出来ます。ただ、その切り替えはプラグを刺すことで行われ、ワイヤレスに戻すにはプラグを抜かなければなりません。ワイヤレスのトラブル等のリカバリー用としてはそれでいいのですが、例えば2台のギターを切り替えて使いたいという時には結構面倒なことになります。そこで、ワイヤレスとケーブルとを切り替えるスイッチを作りました。WL-60の左横にある黒いボックスがソレです。WL-60の中の基板から線を引っ張り出してフットスイッチに繋げています。ジャックにプラグが刺さった時に変化するのでスイッチ付きジャックかと思ったらそう単純なモノではありませんでした。

これでギターは2台スタンバイできます。

 

 次の信号分岐バッファーですが、これはiPhoneを利用したチューナーに信号を分岐するための装置です。それにパワーサプライの分岐の機能も付加して、ボードの下の段に隠れるように配置しています。

 そこからオレンジスクイーザーに繋がっています。かけっぱなしのように見えますが、実は改造してあって、中にリレーが入っており、スイッチャーからの信号でON/OFFできるようになっています。主にクリーンカッティング時に利用するようプログラムされています。

 

 さて、スイッチャーですが、これは過去に製作記事も載せているのですが、ちょっとずつ機能改良していますので、現段階の機能を解説しておきます。

 まず、基本は3ループをプログラムして切り替えられるセレクター機能、スイッチャーはMIDIプログラムチェンジをレガシーMIDI、USB MIDIの双方に出力可能です。これでそれぞれDD-500-RV-500、MS-50Gを切り替えます。さらにオレンジスクイーザーのリレーを駆動するシグナルを出力。ON/OFF可能なハイカットフィルター付きのバッファーを内蔵。あと、ギターアンプのチャンネル切り替え用のジャックを備えます。これはYAMAHA F-50、Fender HotRodDeluxで使えるようになっています。F-50の方はそのままアンプの切り替えジャックへ、HotRodの方は、元々のFenderのフットスイッチを改造して、そこからラインを引く形になっています。YAMAHAとFenderでは極性が違うので切り替えスイッチを付けています。製作当初と比べてかなり機能が強化されました。

 

 ループは3つを大きくブースター、オーバードライブ、ディストーションに分けています。フェイザーは部分的に使うので、ブースターと切り替えて使用します。オーバードライブは軽めの設定とダークなサウンドの2種類をやはり切り替えて使用します。ディストーションセクションは主にリード用の設定で、コンプレッサーを専用に配置して、歪みの後もトーンブースターで音色を調整できるようになっています。いずれにしても一曲の中ではここは切り替えなくてもいいように設定しています。

 

 スイッチャーの次はMS-50Gにいきます。ここではノイズリダクションとコーラスなどのモジュレーションメインでパッチを組んであります。

 DD-500はディレイで、だいたい曲のテンポに合わせたロングディレイですね。曲ごとにバッキング、ソロそれぞれプログラムを組んでいます。さらにMIDIのPANコントロール機能を利用してプリセットボリューム的な使い方ができるようになっています。これはDD-500のUSB端子に接続する装置を作成しました。これで、ボリュームレベルを3つ設定しておけるのと、外付けのフットスイッチでミュートできるようにしてあります。

 

 RV-500はリバーブですが、チャンネル2つをどう使うか、まだ未知数なところがあります。

 

 以前はここまででシステムが終わっていたのですが、前回のライブの教訓から、どうしてもPAまで含めたシステムにバージョンアップしたいと思っていました。まだ、途上ですが一応形は見えてきたので、その成果を取り込みました。

 それが左上の台上に乗っている大きなメーターを付けた装置です。

これは、RV-500の出力からインプットして、中で分岐、一方はゲインつきのバッファーを通ってギターアンプ用の出力、もう一方はフェンダースタイルのトーンコントロールを備えたプリアンプを通って、さらにスピーカーシミュレーターを通した信号をPA用のアウトとしています。それぞれ最終段にVUメーターを接続して、レベル確認できるようにしています。さらにヘッドホンアンプも付けてモニター可能にしようとしたのですが、ここはまだちょっとうまくいっていません。メーターは実は昔初めて買ったカセットデッキのものを取り外して利用しました。メーターが光って綺麗なので、いつか復活したいと思っていたものです。ただ、分解してみると、メーターの後ろ側に台形状のカバーが付いていて、その奥にランプらしきものがついていました。ですが、このランプをうまく点灯させられませんでした。また、カバーまで含めると相当な容積を使ってしまうので、中に基板を収めきれなくなります。なので、試行錯誤の結果、グリーンとレッドのLEDを複数組み合わせて当初のようなカラーに光るように工作しました。消費電流がちょっとかさみますが、見た目はバッチリです。また、VUメーターの回路もギターのレベル用に感度を鈍らせています。

 

 このプリアンプのPA出力は自作のダイレクトボックスに接続され、バランス伝送用にXLR出力できるようにしています。

 

 まあ、なんでここまでやるのかというと、前回やったライブハウスでのライブでは、ギターアンプにマイクを立てて、その音をPAで鳴らしていたんですね。カッティングなどはいいのですが、リードプレイの時などにすごく音の硬さが気になったんですね。やはりハウリング防止などのこともあって、どうしてもEQで調整されてしまうことになるので、自分が思っていた音色とはやはりかなり乖離がありました。なので、PAには別途専用のプリアンプを通した音を送って、手元でコントロールできるようにしようというのが今回の取り組みです。そのままライン送りではやはり変な音色になってしまうのでスピーカーシミュレーターを入れています。こればかりは実際に試してみないとうまく機能するか分かりませんが、空間的な広がりも含めて、もう少しシステムを進化させたいと思っています。

 

 さて、いかがだったでしょうか。システム的にはここ何年かの知識と経験の集積の上のかなり究極的なシステムになったと思います。

 

 ちなみに自作モノが大幅に増えて、パワーサプライなども含めたアイテム数22に対して、自作モノが14ということで、このエフェクターボードの自作率はなんと63.6%に。さすがにデジタルディレイやリバーブまで作る気はないので、ここらが上限かと思いますが、周辺機器や改造などはまだまだ手を加える余地があるかなと思っています。

 

 エフェクターボードはギタリストにとってのステイタスシンボルみたいなところもありまして、やっぱり有名どころの定番エフェクターとか、高級なブティックペダルなんかを載せたくなるのですが、この大きさで必要な機能を収めようとしているうちにこんな形になってしまいました。

 おかげで、色んな可能性に対応できるシステムになった、と思っているところです。