またまた随分と間が開いてしまいましたが、機材の復旧作業に明け暮れていました。
そもそもは随分前に使えなくなっていたBOSS BX-800とYAMAHA REV7をなんとかできないかという思いから始まったのですが、しばらく使わないでいた機材もかなりオカシイ状況に陥っていて、引き続いて作業をしていました。
まずBOSS BX800です。これは8chのミニミキサーで、以前はボーカルのモニター返し用に使っていたのですが、もう30年前くらいに電源が入らなくなっていて、半ば諦めていた機材です。
ここまでいくつかアンプとかを修理していて、もしかしたら治せるかもと取り掛かったのでした。
ケースを開くと、手前に電源基板があり、上面に合わせてミキサーの基板があります。電源が点かないということは電源部に問題有りで、だいたい電解コンデンサーがへたっているか問題を起こしていることが多いことから、この部分の交換と、パワートランジスタの交換を行ってみました。
結果は見事復旧。いや、うれしいですね。
次はYAMAHAのデジタルリバーブREV7。
これも20年前くらいから液晶が点かず、使えなくなっていた一台です。
しばらく使うこともなかったのですが、引越し後はRoland M-240というラインミキサーを使う関係から復旧できればいいなと思っていたものでした。
古い機材ですが、名機というかやはりこれでないと出せない音があります。
蓋をあけると、手前に電源基板。
やはり電解コンデンサーを電源部は全部取り替えます。
あと、基板裏の清掃。どうも電源まわりのハンダの周囲に腐食が出ていて、となりのパターンに接触していた感じもあり、それをきれいに。
で、これも見事復帰。内蔵電池も交換。
ちなみに内蔵電池は、以前交換しやすいように直付けのボタン電池からホルダー式に改造してあるので、至極簡単に行えます。
古い機材では必須ですね。
今だと端子付きのボタン電池もAmazonで入手可能ですが、毎回ハンダ作業が必要になります。
内蔵電池レベルならともかく、デジタル機器の修理なんて無理だと思ってましたから、この成功は画期的でした。
さて続いてはYAMAHA PLS1。これは2Uラックサイズのプログラマブルラインセレクターで、MIDIのプログラムチェンジで切り替えられるラインセレクターです。これまた古い機材ですが、こういうのなかなかないんですよね。結構自由な設定が可能で、ラックエフェクターでシステム組んでた頃の必須アイテムでした。
これが、数年使わなかったのですが、電源を入れるとリレーがバチバチと入れ切れを繰り返します。
やっぱり電源部のコンデンサーを交換、内蔵電池も交換。
で、結果は変わらず。
そこでちょっと行き詰ったのですが、もしやと思ってリセットをかけてみることに。
デジタル系の機材は結構これがカギだったりしますね。
PLS1のリセットは↑ボタンとUTILITYボタンを押しながら電源投入。
これで復旧しました。
結局、これだけで治った気がします。
しばらく間をおいて、YAMAHA QR10というシーケンサー。
シーケンサーといっても、ちょっとおもちゃっぽい機種で、パートを並べてソングを作るという形で、簡単に出来るというのが売りのモデルでした。
コードがボタンになっていてMIDIも使えるので、曲作りには重宝しました。
それが、コーヒーをこぼしたか何かで動かなくなっていました。
分解してみますが、一枚基板で取りつく島がありません。
電源も電池かアダプター使用なので、そうたいした回路でもなく。
とりあえずアルコールで基板裏を清掃します。
そのくらいしか出来ませんでしたが、これでなんとか液晶がつくところまで復旧できました。
ただ、パターンとかソングとかうまく動かないみたいで、デモソングを再生してみると途中でエラーになって止まってしまいます。コードボタンは効くのでそれで良しとしていましたが、ものは試しと色々調べたリセットをかけてみます。
これはVariationボタンとEボタン、Phrase1ボタン、Phrase2ボタンを押しながらパワーオン。そうすると液晶になにやらボタン名らしきものが表示されるので、そのボタンを順々に押していって、一通り終わると復帰。
これで完全に復旧しました。デモソングも全部ちゃんと再生されました。
さて、修理もここらで打ち止めかと思っていたら、YAMAHA FX550がよもやの使用不能。
FX550はハーフラックサイズのギター用マルチエフェクターですが、SPX90後継のエフェクトとクオリティーがあるので、ミキサー卓のサブエフェクトとして考えていました。
FX500もあるので代替できますが、なんとかならないか頑張ってみます。
症状としては、電源は入るけど液晶には何も表示されない。バックライトは点いてる。各ボタンの反応がない、という感じで、液晶だけでなく元がダメなようです。
リセットもかけてみましたが、やはりダメ。
電源アダプターを使う製品ですが、一応電源部の電解コンデンサーを交換してみましたがダメ。
基板が両面基板で、ハンダもどうやら鉛フリーらしく融点が高くて手持ちのハンダゴテでは綺麗に外すのも大変、ということで、断念。
この壁はちょっと厚いですかね。
でも、これだけ復旧できたら十分ですかね。
特に30年ぶりに復旧したREV7は嬉しいですね。
音質のクオリティーは別に持っているSPX90並ですが、部屋の大きさなどパラメーターがもっと細かく設定できるので、やはり卓に繋ぎたい機材ですね。
いや、私には十分なクオリティーです。
あと、モニター用のスピーカー。
いいのがまだ調達できていませんが、とりあえず設置しようと思っていたキットのスピーカーが、なんとエッジがボロボロ。
スピーカーごと交換しても良かったのですが、修理ついでにエッジ交換にチャレンジ。
エッジはAmazonとかで買えるんですね。
やり方もネットで習って、やってみます。
サイズがぴったりでもないですが、破綻するほどでもないので、やってみます。
古い腐食したエッジを綺麗に取り除いて、新しいエッジをボンドで貼り付けます。
まずまずです。
音は、ちょっと期待はずれですが、今の段階では良しとします。
とりあえずはシンセの音のモニターができればいいので。
卓周りの修理はこの辺まででしょうか。
入出力ジャック周りのクリーニングを一通り行って、ようやく”らしく”なってきました。
システムの第一の目的は音源のエディットと譜面作りのためということなので、まずは十分すぎるかなと思います。
6月のライブに至るまで、こういうシステムが組めなかったので結構苦労しましたから、なんともありがたいことです。
始めるとキリがないですけどね。
なんか機材に囲まれていると落ち着くというか、至福です。
とにかく有りものでなんとかします。
今回、修理ものがたくさんあって、交換部品のチェックができるようにテスターを新たに二つ導入しました。
今まではアナログテスターだったのですが、抵抗とか測るときに今一つの信頼感でした。
そこでまず小型のデジタルテスター。
これはトランジスタ、ダイオードなどもチェックできる製品で、安価ながらとりあえずの役は果たせます。
で、あとコンデンサー、特に電解コンデンサーの容量が測れるものを探していたのですが、普通のテスターでは高価なものになってしまいます。
そんな時見つけたのがこれ。
これはトランジスタなどもチェックできる優れもので、こういうのがあるの知りませんでした。
これくらい揃えればまずは困らない感じです。
ギターアンプ周りはまた別途。
追記:
私はまあ機材持ちがいい方なので、また愛着もあり修理できるものは修理して使っていくという人間ですが、よく考えると、修理できる機材でも、知識がなかったりあるいは外部に頼むと高額になるため廃棄されるケースの方が圧倒的に多いのかなと思ったりします。
当然、古いからもう使わないというケースもあると思います。
ただ、それでも使いたいという人はいると思うんですね。
そんな時、豊富に中古品、修理品のストックがあったらいいのにな、と思ったりします。
名機と言われるような一部の機種はオークションなんかでもよくやりとりされていますが、それ以外の製品は買い手も現れず捨てられてしまう。
ちぃっと割り切れない思いを抱いたりします。
確かに修理など危険も伴いますから、誰にでもというわけにはいきませんが、道具は修理して使うという文化は残した方がいいんじゃないかと思ったりしています。
今回REV7とBX-800は例えば1年前だったら治せていなかったでしょう。ここ数ヶ月で知り得た知識と技術的スキルの習得があって初めて修理が可能になりました。
その間とっておいたのはいつか治そうと思っていたからでもあります。また、そう思っていなければ技術の習得もなかったでしょう。なんでもかんでもという訳ではありませんが、愛着のある機材くらいは治して使っていきたいなと思っています。