都知事選、蓮舫さんの敗因 | 猫好きのブログ

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 都知事選の記事で、蓮舫氏が不利である理由が書かれていた。納得したので記す。

 

 蓮舫さんは人口の多い中央線沿線を中心に演説を行った。内容は若者に未来をとか、格差是正問題など。立憲民主党と共産党が彼女を支持しているのである意味当然だろう。

 

 でも記者によると、そういう話は下町のエリアで行うべきだと。平均所得の高い中央線沿線で格差是正の話をしても住民ニーズとずれていると。

 

 なるほどなと思った。非正規雇用対策とか格差是正問題はよく出る政治テーマではあるのだが、多くの人が下流に転落している訳ではないのだ。

 

 実質所得減少による買い控えがあったとしても、東京都民の世帯平均年収は808万円と全国平均の552万円を大幅に上回っている。勿論、地方よりも生活費が余計に掛かることから単純比較はできないが、それでも地方よりも大きく上回っていることは間違いない。

 

 大企業、官公庁の拠点が集中し、家主、中小企業オーナーの数も多い。彼らは決して一部の人ではない。大企業の正社員だけでも相当の人数がいるだろう。しかも現役世代は共稼ぎが主流なのだから、正社員+非正規の組み合わせでもそれなりの金額になる。

 

 ただご承知のように東京の中では区の格差がある。以下、一人当たりの年間収入である。

トップ3

1位 港区 1185万円

2位 千代田区 985万円

3位 渋谷区 912万円

 

 タワマンがガンガン建っているエリアですね。次にワーストを見て見よう。

1位 足立区 357万円

2位 江戸川区 357万円

3位 板橋区  377万人

 

  下町は高齢者が多く住んでおり、年金生活者や生活保護受給者が平均値を下げている。また零細の町工場の職人も多く居住していることもあるらしい。トップとワーストの区では圧倒的な格差があるのだ。

 

 ま、中央線沿線は多摩地区を含んでおり、各市は400万円前後のようで23区の下位レベルにあるものの、多摩地区の広さや人口密度を考えると、下町の区を集中的に攻めて格差是正を訴えるべきだったのではないか?

 

 僕は蓮舫さんを応援していた訳ではないが、戦略的に間違ったのではないかと思う。只でさえ、石丸さんが割り込んできて小池さん批判票が分断されてしまった上に重点地区の誤りがあった。

 

 石丸さんは、予想以上に健闘したので自信を深め、次は国政に進出すると思いますよ。本人も広島1区をちらりと言ってましたしね。

 

 彼は政治屋どもをぶっ潰すと言いながら、昭和の長老たちの力を借りた(ドトール創業者から5000万円の借金の他、超一流の選挙参謀が付いた)。だからこそこれだけ伸びた面もあると思う。でも既成勢力に依存すると彼らを否定できなくなるんですよ。だから彼は国会議員になっても丸め込まれて終わるでしょうね。

 

 また石丸氏自体,都政の公約なんて殆どしていないに等しい。なんかふわっとして具体性は何もなかった。都知事候補になると知名度が上がるから出馬しただけのこと。政治信念なんて元々ないのですよ。僕は上昇志向が強いだけの人とみた。こういう人は既成勢力から見ると、取り込みやすい。日本の政治のレベルはその程度です。今回も劇場型で終わってしまった。