特注品は本人以外、魅力を感じないことが多いので流動性に難がある。ではこの時、どのようにして減価を行えばよいか?
1.機会損失
他の有望な案件に投資したであれば、得られたであろう利益
2.市場リスクの考慮
市場滞留期間が長くなることで価格変動リスクを反映した減額を行う。金融の分野では統計的手法を用いてVaR(バリューアットリスク)を計算できるが、不動産では追加保有期間中の下落リスクを見込む。
3.保有コストによる調整
余計に掛かる期間中に発生するコスト(メンテナンス費用、保険料、保有税)を評価額から差し引く。
電気・水道代金、損害保険料と固定資産税(+都市計画税)は最低限掛かる。物件の管理を不動産業者に任せると管理料が発生する。自社管理する場合は、人件費、物品費等が掛かる。設備の劣化を防ぐため、注油したり、一定間隔で運転する場合は、能力維持費も発生する。物件が大型だと使わなくても保有コストは結構な金額になるため、所有者には売り急ぎの圧力が掛かりやすい。
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一般物件と同等の条件での評価額 1億円
1.売却が1年遅れることによる機会損失(5%とする) 1億円×0.05=500万円
2.価格変動リスク(横這いとする) 0円
3.保有コスト(内訳は下記) 622万円
保有税=評価額1億円×課税標準修正0.6×税率1.7%=102万円
保険料=建物評価額0.5億円×料率0.4%=20万円
管理費=評価額1億円×4%=400万円
修繕費=建物評価額0.5億円×1%=50万円
水道光熱費 50万円
4.減価額=(500+622)/1.05=1069万円
*現在価値に割り引く。割引率は5%
5.流動性を考慮した物件の評価額=1億円-減価額1069万円=8931万円(-11.69%)