三井住友銀行の年功序列廃止について | 猫好きのブログ

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 年功序列のイメージの強い銀行、それもメガバンクが制度廃止を打ち出した。実施は2年後からとのことだが、それほど大きくメディアに取り上げられていない。

 

 年功序列制度を足枷に思っていたが、踏み出せなかった大手企業が次々と後に続き、それが中小企業に波及し、日本の人事制度を変えてしまうかもしれないのに不思議だ。どうせ今まで同様、口先だけと思われているからであろうか。

 

 20代でも年収2000万円、専門的スキルのある人は年収5000万円可能だと言うことだ。街行く人にインタビューすると年功序列廃止歓迎の声が多い。

 

 だが一部の人に多く渡すということは、大勢の人の給料が削られることを意味する。売上が増え、パイが増えない状況な訳だから、その他大勢の人はきつくなる。

 

 また年功序列が無くなるということは、給料だけでなく、一生ヒラになる人も増えるということだ。年功序列制度だけ廃止で終身雇用制度はそのままということはないだろうから、ヒラのまま会社に居続けることは出来なくなると思いますよ。

 

 また20代で年収2000万円を取ることが出来ることは、給料に見合う責任、権限、地位も付くということでもある。28歳部長、40歳課長、50歳主任なんてことも出てきますよ。

 

 そうなると自分の息子ぐらいの年齢の上司にお前とか言われるようになるでしょうね。自衛官のように割り切れないと思いますよ。

 

 日本では村社会と言われるように年功序列が各方面で根付いている。例えば中学、高校のスポーツの世界では実力主義の一方で、学年別の序列は守られており、実質的には年功序列となっている。10代の子供たちの間でもそれが当然のように受け入れられているのだ。

 

 同じ実力だと先輩の方が優先してレギュラーになるじゃないですか。これは学校の在籍期間は3年しかないので、出場の機会が限られる先輩を優先させるという配慮だろう。仮に先輩が実力で劣り、後輩がレギュラーになっても身分は先輩の方が上なので、後輩はレギュラーを立てなければならない。このような使い分けができるのは、レギュラーになった後輩が補欠の先輩の上司ではなく、単なる競技中の役割を演じるに過ぎないからだ。ベースは村社会、戦いの時だけ、有能な後輩の階級を上げ、戦いが終わると末端身分に戻る。

 

 でも会社はどうだろう?ベテランが入社5,6年の若手の上司になり、しかも役職の差が拡大すると完全に別身分のようになるのではないか。極端に言うと医者と看護師、弁護士と秘書のように。

 

 日本だって元々実力主義はないわけではない。中途入社の営業職を多く入れる会社等では実力主義だから、入社2年目とか24歳で課長とか30歳で部長などのケースもある。

 

 でもこういう会社は数字が取れないと居られなくなるので、一部の幹部を除き、中高年層は残っていない。つらくてどんどん辞めていくからポストが空き、若くして昇進できるのだ。

 

 大手企業が年功序列を廃止てもそうはならないだろう。アメリカのようにスマートな形になっていくだろう。お隣の韓国でも40歳以上になるとリストラなので、中高年は残れないと聞いたことがある。職を追われた人達は自営業に転じて行くそうだ。

 

 日本の大手企業の会社員の皆さん、キッチンカー出したり、たこ焼き屋を開いたりできますか?仕事の出来る人でも質が違うので、苦労すると思いますよ。

 

 大手企業出身者が作ったからといっても、美味くないと客は来てくれない。客層も変わり、100円、200円の買い物客でも王様ぶる人がいる。銀行ではおとなしかった客が店が変わるとモンスター化することがあるので、要注意ですね。