愛想のない店員が増えたのは? | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 カスハラが話題になるが、他方でやる気の感じられない店員も少なくない。

 

 人手不足で採用の際に選ぶ余裕がないことが背景にあるだろうが、それだけではないと思う。

 

 僕の仮説だが、OA化が一層進み、事務職員の求人数が減ったため、事務職志望者が已む無く店員になったのではないか。

 

 事務職員と店員との要求される資質は異なる。店員の分かりやすいし資質は接客態度であろう。幾ら仕事が出来ても客を物扱いしたり、伝票をめくるように買った商品を扱われると客は良い感情を持たない。

 

 先日いった家電量販店は正にそうだった。支払い窓口は20代女性店員だったが、無表情で事務的な対応だった。

 

 これと似た現象は公務員でも見られた。近年は民間の新卒求人が増えて緩和しているが、景気の谷間は公務員の採用倍率が高くなり、10倍越えは珍しくなかった。

 

 本来、行政職に就くべき者が警察官や消防官になったりしていた。だから30代前後ぐらいの警官を見ると、体育会系というよりも事務職員のような顔つきの人をよく見かける。

 

 別の面から見てみよう。公務員予備校の前を通ると、以前は消防官、警察官の合格者数が出ていた。本来、何十万も掛けて行く公務員予備校は行政職を目指す者である。消防、自衛隊、警官は体力的特性が強い為、事務・技術職とは求められる資質が異なるからだ。

 

 予備校は知識の伝授しかできないので、採用において専門知識のウエイトが高い行政職の合格者数が集客の売りになるはずなのだが、不景気時には兎に角、公務員にさえなれたらいいという学生が増えるため、消防官、警官の合格者数の多さでも十分集客できるのだ。

 

 話を店員に戻そう。店員と事務員とでは求められる資質が異なる。勿論、店員に事務能力が不要という訳ではないが、商品の専門知識、売場の管理、接客、アルバイトの管理など幅広い。これらで一番重要なのは接客だろう。セルフサービス以外の店だと特に接客が悪いと商品は売れないからだ。またセルフサービスでも商品の内容、陳列場所等について質問されることもあるだろうし、レジでは精算時の対応が必ずある。

 

 接客が悪いと良い資質を持っていても昇格が難しい。僕が見たところ、副店長が上限。ヒラか主任ぐらいで辞めていく人が多い。

 

 事務所と異なり、正社員の店員は多くのバイトを使う立場なので、彼らの指導が出来なければならない。接客できない者が上に立つと下の人も乱れてしまう。事務職なら未だ経理とか人事とか適職に異動する可能性があるが、店員の場合はどの店、どの売場に行っても基本は同じだから、ダメ社員の烙印を押されると居づらくなってしまう。