「部長(課長)っていいな、指示ばかりだして自分は何もしない」という人は多い。
確かに部長は部の業務を課長に割り当て、課長は課の業務を課員に割り当てる。だから上になるほど、自分の業務は無くなり、楽をする。
だがそれは手段業務の話である。業務には他に目的業務がある。目的業務は効率良く仕事をさせる他に部(課)の目的を考え、その方向性にあった作業を指示したり、運行管理、結果報告というものがある。有能な管理者ほど目的業務が増えて下のスタッフからは暇に見えるものなのだ。
とはいえ、管理職は管理のみをやっている訳ではない。課長の8割、部長の6割は個人業務(プレイヤー)と回答しているアンケートがある。即ち、管理職は選手兼監督が実情であるのだ。
下っ端が管理職に昇進した途端、無能になるケースがあるのは、手段業務については有能であったが、目的業務についての理解、能力に乏しかったことが理由だ。
逆に下の者の実務に疎い者が管理者になると、的確な指示が出来ず、職場が混乱することもある。このような者に限って余計な介入をして現場に無駄な作業を強いるのだ。
理想の上司は要所を締め、あとはのんびりしているタイプかもしれない。銭湯の番台に座る主人タイプだ。部下の手綱を引き締めつつ、裁量に任せる。本人はのんびりすごす。