年収は学歴差で決まる? 続編 | 猫好きのブログ

猫好きのブログ

資格試験とその応用

 昔、不動産鑑定士三次試験の対策校に行っていた時のはなし。

 

 当時の合格率は30%だった。そこにT大君がいた。T大君といっても30代後半で当時の僕から見るとおっさんにしか見えなかった。

 

 T大君は、講師の批判ばかりする。あれが間違っている、ここが違うと。ま、T大卒だけあって、講師のセンセイを格下と思っていたのだろう。

 

 そのせいか、成績が伸びなかった。学者を目指す訳でもないから、オリジナルな論文なんて求められていない。ルール通り書く、只それだけのことである。社畜に要求されるのは従順だ。

 

 T大君から名刺を貰った。普通、こんな場所で名刺交換なんてしないものだ。全員同じ立場の受験生だからどこの会社に勤めているなど関係ないからだ。

 

 肩書を見ると調査室長か研究室長かになっていた。つまり俺は偉いんだということを彼は見せたかったわけ。

 

 そもそも受験校で何故、T大を出ていることを皆が知っていたのであろうか?

 

 彼が自分で言ったのであろう。40近い年の人が、T大が、T大がと公言していたというわけだ。

 

 ある日、彼のそういう姿を気に入らないと思った人が僕にこう言った。

 

 彼ね、室長と言っているが、会社で持て余されているんだよ。T大卒だということで、社長が採用したのだけど、仕事が出来ず、何でも他人のせいにする。屁理屈ばかりこねるものだから、室長と言う肩書で昇進させて、窓際に追いやったという訳。

 

 後で知ったのだが、この方は大手企業の課長職でT大君の勤務する会社と取引があった。それで情報を知ったのであろう。

 

 T大君はその後、学校に来なくなった。自分で勉強した方が良いと言ってたそうだ。3次試験の結果が出たが、T大君は合格していなかった。その翌年も・・・・。その後、業界でT大君の話を一度も聞くことはなかった。会社にいずらくなって辞めたのかもしれない。