神奈川県の伝説のディスカウントストア アイワールド 続編 | 猫好きのブログ

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 YOUTUBEで1997年当時のTV番組を見たが、ディスカウントストア アイワールドの人気が凄まじかった。

 

 生活雑貨1円とか10円で大量販売、エアコン1000円とか、傷物家具100円とか。プラダのバックが3割引、半額とか。

 

 番組を見ると疑問が出てくる。

 

・何故、アイワールドだけが安く出来て、既存小売業は安値で売れなかったのか?

 

・何故、こんなに人気があったのに倒産したのであろうか?

 

 

 直接確かめた訳でないので主観になってしまうのだが、この店の極端な安値商品は集客のための一部に過ぎなかったのではないか。

 

 実際、東大和店では第一回目の民事再生以前に家電量販店のコジマが斜め向かいに出店し、業績が大幅に低下したそうだ。家電量販店は既存競合店の近くにわざと出店することが多い。勝ち目があると分かれば、既存客をごっそり奪えるからだ。

 

 つまりコジマは1000円でエアコンを売る店よりも自社の方が強いと考えていたことになる。家電に関して言えばコジマの方が商品調達力は上である。国産メーカー品を大量に安く仕入れることが出来、新製品投入のタイミングも早い。

 

 他方、アイワールドは総合ディスカウントであるから、家電部門のみに関しては家電量販店よいりも売場も狭いし、大型店と言えども店舗数も少ないので大量調達が難しい。

 

  まさか全品1000円で売っていた訳ではないだろう。目玉商品で集客して後は他の商品を買って貰っていたはずだ。目玉商品は数が少ないから早い者勝ちになる。開店時には大勢の客が集まるが、少数の人しか買えず、多数の客はそれほど安くない商品か型落ち商品を買うことになるはずだ。

 

  家電は大手メーカーが圧倒的に強いので、メーカーからの調達力で決まる部分がある。では中小メーカーの多い生活雑貨はどうだろうか?

 

 こちらも100円ショップという強力業態がある。アイワールドは大型店舗なので繁華街に行かないとならないが、100円ショップならそこら中にあるし、しかも同じ商品をいつでも買える。だが古いタイプのディスカウントストアは調達ルートがその都度変わるので定番商品が育たない。次に店に行くと消えていたりする。

 

 最後に高額商品はどうだろうか?

 

 番組にはハイブランドのバッグ、電動自転車などの高額商品が大幅値引きで販売されていた。これらの商品の特徴は回転率が低いということだ。確かにデパートに比べると安く、バブル崩壊によってディスカウントストアに群がる人が増えた。

 

 ところが1995年を過ぎると、派手さよりも堅実消費に流れが変わり、低価格高品質の商品を売る店が流行するようになった。大塚家具からニトリへ、百貨店ファッションからユニクロ・しまむらへ等である。

 

 それに高額商品は安定調達が難しい。並行輸入(海外への直接買い付け)、バッタ品・質流れ品などが中心だろう。安定調達するためには正規業者と取引する必要が出てくるが、そうすると仕入れ価格は他業種と変わらなくなっていく欠点がある。

 

 ディスカウントストアとして生き残る為には、安くする仕組みを構築する必要があるのだが、これは簡単なことではない。実際に多くのディスカウントストアが倒産していった。