仕事の出来ない人は「境界知能」? | 猫好きのブログ

猫好きのブログ

資格試験とその応用

 youtubeで医者をしている人がについて持論を述べていた。

 

・知能の8割は遺伝で決まるからどうにもならない。

・知能指数が20以上違うと、会話が成立しない

・犬に噛まれても叱りつけないように、境界知能の人が文句を言っても哀れみしか感じない

・論理的に理解できない人は情報を処理する能力がないので単純作業しかできない

・患者には境界知能の人が多く見られる。何故なら自己管理能力が低いから病気になりやすいからだ。

 

 もしこの人が本気でそう思っているのなら、優勢思想の持主ということになるだろう。知能は遺伝だけで決まるものではないことは知られている。仕事の出来不出来は向き不向き、モチベーション、人間関係などの影響を受けるはずなのに、彼は知能指数の差で説明しようとしている。

 

 このような考え方はひろゆきの他、有名youtuberにも散見される。彼らは確かに社会的な成功者だから上から目線で言ってるのかもしれないが、僕にはある意図があるように思われるのだ。

 

 有名人の発言を真に受けて真似をしたがる人が出てくる。つまり有名人は、「普通の人」が仕事上或いは学業上劣った人に対して優越感を持つように仕向けているように思えるのだ。その方がチャンネル登録者が増えて彼らの収入が増えるから、敢えて過激な言葉を吐くわけだ。

 

 これは時流に合っている。マウントを取りたがる人からすれば、仕事が出来ない人を発達障害者や境界知能扱いすることで優越感を持てるからだ。

 

 だがこれは重大な人権侵害になりかねない。多様性を認めた寛容な社会の中で発達障害者や境界知能者が共存していくことが本来の趣旨のはずだが、新たな差別を生み出している。

 

 そもそも精神科医でもない人が職場で同僚を発達障害者や境界知能者と判断すること自体が間違っている。そのことすら気が付かないで自分を「普通の人」と思っていることはおかしい。いい年した大人が小学生レベルのことをやっているように見える。

 

 ま、確かに仕事が全然出来ない人、やる気ゼロの人はいる。周りに迷惑をかけても平気で休み、診断書を持って来て病気だと開き直る。

 

 だが行き過ぎると仕事を覚えるのが遅いだけで、知能が低いと短絡的に考えて、侮辱的な発言をするようになる。

 

 発達障害は生まれつきの脳の病気なので本人のせいではない。境界知能は知能指数が71以上、85未満ということだが、これは別に病気ではない。ある現象等は普通、平均値を中心に左右に分布するものだから、相対的であり、必ず知能指数の低い者は一定の割合で出てくる。

 

 境界知能に該当する人は7人に1人いることは別に不思議でもない。85で正常、84で境界知能とまるで試験の合格ラインのように分けるのはおかしい。1の差ぐらいその日の体調で変わるので、正常の人が翌週測定すると境界知能となり、境界知能の人が正常に変わるかもしれないのだ。

 

 寧ろ境界知能問題は、SNSの普及で本音を出しやすくなったことや社会での競争が激しくなって人々の寛容性がなくなったことが大きいのではないか。

 

 劣化しているのは、相手でなくて、きっと貴方の方ですよ。貴方はご自分で仕事が出来ると思ってるかもしれませんが、上の人も周りも別に評価していないですよ。貴方程度の人はゴロゴロしていますから。もし発達障害、境界知能などと言われた人は泣き寝入りせずに、表に出した方がいいと思います。