限界集落都市 | 猫好きのブログ

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 日経新聞社が出した「限界都市」というに東京近郊都市の団地が出てくる。

 

 高度成長期に開発された通勤圏の分譲マンションの団地で築50年近い。賃貸と違って所有者が多く住むために高齢化が進んでいる。

 

 同じ年代の者が一斉に入居する物件では居住者の高齢化も同時に進む。通勤圏とはいえ、都心回帰の進む近年において、通勤に1時間以上掛る場所は敬遠され、新しい人が入って来ない。

 

 年代、ライフスタイルが大きく異なると共同生活が難しい面も理由であろう。大修繕や建て替えする時期に来ても年金暮らしの高齢者は反対する。自分が生きている間だけ住めればいいからだ。

 

 こうして高齢化と人口減少が進むと、商店も商売にならず閉店していくし、バス便の数も減ってしまう。都会にいながら、過疎地のようになっていく。大都市の周辺が限界集落化しているのだ。

 

 他方、都心部とその周囲ではタワーマンションが建ち、人口が増えている。東京23区の新築マンション価格は1億円を突破した。そこだけ見ると東京は繁栄しているが、縮小社会によく見られる現象である。

 

 では限界集落化したマンションを所得の低い非正規層が買うのかというと難しいだろう。何故なら派遣社員、契約社員達は仕事の多い都心部への通勤利便性を要求するからだ。それに独身者にはファミリー用のスペースなんて必要がない。

 

 このまま人口減少が進むと、限界集落化は都心部にも及ぶだろうと予想されている。特に大量供給されたタワマンほど危ない。

 

 今の30代、40代でも30年後は高齢者になっている。特定の年代に偏っていると嘗ての高度成長期に建てられた団地と同じようになりやすい。

 

 特にタワマンの場合、大規模修繕費が非常に高くなることが予想され、今の所有者が高齢者になると負担できるのかという問題がある。経済的に余裕のある人達は先に売り抜けてしまい、余裕のない人ばかりが残るであろう。その結果、修繕を怠り、劣化が進んでいくかもしれない。