桐島容疑者と三菱重工ビル爆破事件 | 猫好きのブログ

猫好きのブログ

資格試験とその応用

 自称桐島容疑者が突然亡くなって話題になっている。

 

 有名な指名手配犯なのに具体的に何をしたのか知らなかった。youtubeで改めて三菱重工ビル爆破事件の映像を見ると凄まじくてびっくりした。

 

 東京丸の内のお昼休みの時間に突然、ビル入口付近で爆発したのであった。当然、大勢の人が歩いていた。

 

 爆弾はダイナマイト700発分の威力だったという。ビルの9階までのガラスは悉く割れて4000枚の破片が降り注いだ。

 

 住宅よりも厚めのガラスのため、その威力は凄まじい。実験映像を見たが、地上に置いたスイカにガラスが包丁のように刺さって抉られていた。実際死傷者が400人にも達したそうだ。

 

 桐島容疑者は直接この事件に関与した訳ではない。彼の所属する団体は次々と爆破事件を起こし、犠牲者は更に増加した。彼以外のメンバーは全員逮捕されたが、連合赤軍によるハイジャック事件で超法規的に刑務所を出たメンバーの内、二人は未だ逃亡中だそうだ(海外にいるらしい)。

 

 メンバーで長期刑を終えて出所した者で生存中の者もいる。最年長の者でも75歳なので、当時は25歳だったということか。桐島容疑者だって20歳頃に若気の至りでメンバーに加わったのかもしれない。

 

 当時の大学進学率は僅か19%に過ぎない(1971年、桐島容疑者が進学した時期)。今大学に行く子の上位1/3しか進学できないことを考えると、大学生はエリートだったことが分かるだろう。丁度、時代は高度成長期でもあったので、そのまま就職すれば、大企業に普通に入り、部長か役員で退職し、何の経済的不自由もない引退生活を送っていたはずだ。

 

 ところが現実の自称桐島容疑者はどうだろうか。保険も年金もなく、崩れそうな6畳1間の寮に住む日雇いの生活。

 

 本人は警察に事件を起こしたことを後悔していると言ったが、この後悔には予想以上の被害者を出してしまったことだけでなく、自分の人生がめちゃくちゃになったことも含まれていると思う。

 

 近所に住んでいる人の証言にこういうのがあった。自称桐島容疑者は昔、自販機のおつり取り出し口に手を入れてお金が残っていないかをチエックしているのを見て、お金を持っていない人なんだなあと思ったそうだ。

 

 本来、進めたであろう進路と現実とのあまりものギャップ。身から出た錆とは言え、ロストジェネレーション以上の落差だ。