夕張メロンは今では有名ブランドだが、メロン農家は元々は貧しい農家が炭鉱労働者に野菜等を売って暮らしていた。
道の専門技術員がメロン栽培を提案し、指導するようになり、何度も品種改良を繰り返してようやく完成した。
当時デパートからは「かぼちゃメロン」と蔑称されていたこともあったようだ。だが少しずつファンが増え、ブランド化に成功した。
作るには温度管理など高度な技術が必要だ。それに徹底した品質検査体制。1玉当たり高く売れるのに厳しい条件を満たしていないと不合格にする。勿論、掛ったコストも得られたであろう利益もパーになる。だがこれが夕張メロンのブランドを高めたわけである。
元々、夕張は火山灰質の土地温度差の大きい土地で農業には向いていないのだが、実はあの甘みはこういう条件だからこそ出てくるのだ。これが他地域には真似できない夕張の強みとなっている。
夕張メロン農家は独自に販路を築いたため、財政破綻の影響を受けなかったが、それでも高齢化による人口減少は避けられず、財政破綻時に150戸あった農家は今では100戸を切っている。
このまま行くと夕張メロンを食べられなくなる時代が来るのではないか。農家が一定戸数を下回ると技術の伝承が出来なくなってしまうし、品質検査、出荷体制も組めなくなる。