診断士試験の特徴 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

中小企業診断士試験の学習を初めて2か月経過した。11月には経営理論を12月には運営管理を12月下旬には経営情報と経営法務を開始した。

 

経営理論と運営管理については一通り終了したので過去問を解いてみた。経営管理は65点、運営管理は60点であった(合格点は60点)。初めて解いたにしては比較的出来たと思う。

 

問題の難易度はかなり高い。少なくても証券アナリストの一次試験よりはずっと上だろう。タックの過去問に出ている問題毎の正答率を見ても、基本的、標準的な問題の正解率は高い(6~8割ぐらいある)ところを見ると、基本・標準レベルを確実に取らなければ、一次科目すら突破できないことが分かる。

 

ネットの情報を見ると、診断士なんて簡単だよ、250時間で合格したという声もあるが、鵜呑みにしては危険である。250時間は日商簿記2級に必要な時間であるが、たったこれだけで一次7科目と二次の記述4科目をこなせるわけがない。250時間で合格したという人は、受験に着手した時点で既に相当の知識を持っていて、開始=ラストスパートのタイプだけであろう。

 

たしかに実務経験者は有利な面があるが、実務で7科目すべてをカバーしている人はいないし、試験そのものは学者が作っているので、実務をやりながら、専門書で普段から何年も勉強をしている人でないと、経験だけでは対応できない。

 

証券アナリスト試験でも、合格に必要ななのは一次に200時間、二次に200時間という声が多かったが、これは資産運用会社や証券会社の調査部に勤めているタイプであろう。彼らは就職時点で選抜されている上に、入社後も選抜を受けている。例えば某大手証券会社だと、同期入社300人の内、アナリスト部門に配属になるのは1%だという。こういうタイプの人は地頭がいい上に、学生時代からの基礎知識を持っているため、少ない時間で合格するわけだ。

銀行の場合だと、証券アナリストを受ける前から、銀行業務検定などで資産運用、財務などに合格している者が多いので、その後の学習時間を節約できる。これらの条件を満たしていない人は、標準的と言われる学習時間の倍以上掛かっているようである。

 

診断士の場合は、合格に必要な時間は1500時間と言われている。だがこれも目安であり、時間を掛けたかどうかよりも、出題者が要求している力が身に付いているかどうかが問題である。

 

診断士試験の特徴は、異分野を平均的にこなせるかが重要で、特定の科目(系)に重点が置かれる専門資格に比べると、オールラウンドの性格が強いことだ。

 

自分を例に取ると、IT音痴でハブとルーターの区別がつかない人間であるが、それでも6割前後得点する必要がある。正確にいうと、7科目平均で6割取れると一次合格であるが、個別の科目が4割を切ると、トータルで6割以上あっても不合格になる。

 

診断士試験の場合、不定期に難易度を急激に上げることが多いため、苦手な状態で受験すると、一気に4割未満になることがある。仮に4割を超えても、他の科目でカバーできなければ一次に不合格になってしまう。従って標準的なレベルならどの科目も安定的に6割取れるだけの力が必要である。

 

出題者側は受験者が得意科目で高得点を上げ、苦手科目の点数を穴埋めすることを極力排除しようとしてどの科目も高得点を取りにくいように設定している(難問を一定数混ぜている)。

 

この試験は受験率も低いのが特徴である。他の資格試験だと85%ぐらいあるが、診断士は70%しかない。これはサラリーマンにとって一見受けやすいイメージがあるため、受験を始める人が多いが、学習しているうちに、挫折してしまうことが多いことを示している。

 

100人申し込むと、受験者は70人、一次合格者は2割で14人、二次合格率は2割なので、最終合格者は2.8人。

 

他の難関資格だと100人申し込むと受験者は85人、合格率を5%とすると、合格者は4.2人。

 

診断士試験の場合、有効期限付きで合格科目が翌年以降免除になるため、他の資格と一律に比較できないが、歩留まりが悪いことは同じだと思う。