度胸 | 東京夜時

東京夜時

宇都宮秀男によるコラム。月木更新。

すべてはこの1枚の写真から始まる。



昨夜、仙台で一人で街に繰り出した梅ちゃんは、
路地裏で酒を飲み交わしている
浮浪者っぽいおじいさんたちに声をかけ
「僕、仙台がはじめてなんですけど、どこか面白いところ知りませんか?」
と尋ねた。

最初はかなり怪しまれた梅ちゃんだったが、
持ち前の度胸と人好きなキャラが認められ、
ついには中国パブに連れて行っておごってもらった。
その勇姿が冒頭の写真である。

さりげなくホステスに手を回すあたり油断のならない男である。
おじいさん、きっと、浮浪者ではなかったのではないか、という気がしてならない。

そして彼なりに仙台の一期一会を楽しんだようだ。
夜の3時少し前にホテルに戻り、
仕事に追われる僕のために夜食を買ってきてくれた。

興奮冷め止まない感じの人を夜中に見るのは大変だった。


(朝の仙台)

仙台ロケを終えて、石巻へ。
駅に着いた途端、2012年、2013年の頃に石巻にきた記憶が蘇った。

街が明るくなったというのが第一印象。
こみ上げるものがあった。


(日和山公園からの眺望)

無事にロケを終えて帰路へ。



最後に石巻の駅で、
石ノ森章太郎のキャラクターたちと記念撮影する梅ちゃん。

この写真を撮ったのは僕ではなくクライアントさん。

初対面2日目で、お客さんにこの写真を撮らせる度胸と
コミュニケーション能力はなかなかのものである。

そして、今、つくばのホテルでこれを書いている。
明日が全国ロケの最終日だ。