金曜日のお昼、テレビ朝日の『大下容子のワイド!スクランブル』の午後の部を見ていたら、タリバン支配下のアフガニスタン取材を続けているCNNの女性記者を紹介していました。

 

 

クラリッサ・ウォード(Clarissa Ward)さん(41歳)、いろいろ紛争地帯の取材経験があるらしい。

 

 

まだ幼い息子さんが2人いて、夫と子供はイギリス在住。というかクラリッサさんがCNNのロンドン拠点。

 

下の子が1歳だそうです。

 

 

 

アメリカ(イギリスも?)ですら、「お子さんが生まれたらスタジオ中心の仕事をするんでしょう?」と言われたそうなので、幼い子供がいて危険な場所の取材に行く人は、あちらでも少数派なのかもしれません。

 

日本のテレビ番組であれば、尚更そこに注目するのは理解はできる。

 

 

 

 

しかし、アフガニスタンの街なかでの取材の様子について、「危険な場所でも冷静に周囲の状況を把握しながらレポート」みたいな紹介の仕方には、「はあ?」びっくり?と思いました。

 

 

CNNであのような場所に行く人に、何をいまさら。そんなの当たり前でしょうが。

 

 

 

クラリッサさんはにこやかで落ち着いていて余裕があり、素敵な女性です。女性らしい容姿をしています。

 

確かに、銃声がしようが冷静に普通に行動している。頭にスカーフ(ヒジャブ)を被り、街頭にいるタリバンに対しても通訳を介しつつ堂々と切り込む。そりゃ事実だ。

 

 

だけどそれ、男性特派員だったとしても同じような紹介の仕方をする? 経験豊かでプロフェッショナルなジャーナリストに対して。

 

 

 

彼女はCNNの主任国際特派員ですよ。 ウィキペディア英語版には、In July 2018, CNN named Ward its chief international correspondent, succeeding Christiane Amanpour in the role. と、かのクリスティアン・アマンプール氏の後に続く役割のように書かれている。

 

 

アマンプールさんは「CNNを代表する国際報道アンカー」(CNNの日本語記事)。

(卵巣がんの手術を受けたことを公表したという6月の記事。知らなかった)

 

 

 

 

デーブ・スペクターさんのコーナーでしたが、デーブさん自身はそういう風に思っていないと思いますが・・・(中東の取材に慣れているし、よく理解している人というような話をしていたと思う)。日本人によるナレーション部分でした。

 

 

番組の作り方としては、どうもなんだか、「女性でありながら」、「母として」、「母親でありながら」みたいな取り上げ方で。

 

 

親として家に残してきた子供たちを気に掛けるのは当然だから、それ「も」取り上げていいと思うけれども、なんかね。

 

 

 

この番組の良いところは、コメンテーターが番組に苦言を呈するところでして(笑)、ジャーナリストの柳澤秀夫さんが、「女性だから、ということでこういう取り上げ方をもししているならば、辛口になりますが、(性別で役割や仕事を区別する価値感の)タリバンと同じではないか」と言い、脳科学者の中野信子さんも、「柳澤さんと同じ意見で、母親だけこういうことを言われるのか、お父さんならどうなのか・・・」とジェンダーギャップに「もやもやして」いらっしゃった。

 

 

中野さんはしばしばジェンダーを意識したコメントをなさいますが、40代で頭が良くて、海外のことも見ているだろうから、そりゃ思うだろうなと思います。

 

 

メインキャスターの大下容子さんも同感だと理解を示していましたし、男性の佐々木亮太アナウンサーは、女性だから・男性だからでなくて、「同世代として」、「子供が出来たり守りたいものが増える年代でこういう取材をして活躍をされているのは尊いことだ」というような感じのコメントをしていた。

 

 

出演者でなく、番組製作スタッフの考え方が古いのではないだろうか。

 

(やらせでなければ。)

 

 

テレ朝に限らず、テレビ局って価値観が古そうで、「大丈夫か?」と思ってしまいます。

 

 

NHK、特にEテレあたりは攻めていると思いますが。グラサン グラサン

 

 

 

テレビ

 

 

 

それ以前に思ったのが、あの紹介の仕方だと、「西洋の報道局から女性がイスラム文化圏に取材に行くのが珍しいこと」のように見えてしまわないだろうか?ということ。

 

 

そこは番組で誰も指摘していなかったけど。

 

 

他の局のことを私が知らないのでCNNについてしか書けませんが、「女性の特派員による中東取材」自体は、CNNではよくあることですよね。「ママさん記者」(皮肉です)は少ないのかもしれないけど。

 

 

アーワ・デイモン(Arwa Damon)さん

 

 

ハラ・ゴラーニ(Hala Gorani)さん

 

 

もちろん、クリスティアン・アマンプール(Christiane Amanpour)さん

 

 

など。最近見ていないのですが、よくCMでやってたし。

 

 

アブダビ拠点のベッキー・アンダーソン(Becky Anderson)さんもかな。ウィキペディア情報が少なかったのでCNNのプロフィール。

 

 

スマホ

 

 

 

私はアメリカの報道局に詳しくないし、イギリスBBCすらあまり知らないぐらいなので、もっと他に女性で危険を伴う取材をするジャーナリストがいると思いますけど。

 

(フランスとかスペインとか他の国のことは知らないし、フリーランスもいるし。日本人もいますよね)

 

 

 

星「女性も皆そういう働き方をするベキだ!DASH!とか言いたいのでなくて、ただ単に、「やってる人たちはやってますから、実際。」というだけです。

 

 

 

ちなみに、柳澤さんがジャーナリストの仕事についていいことをおっしゃっていた。

 

日本だと何かあるとすぐ「危険だ」「自己責任だ」という話になるが、消防士が危険でも消火活動するように、警察が凶悪犯でも逮捕に向かうように、ジャーナリストは危険な場所でも取材に行くし、それはジャーナリストとして避けられないこと」というような主旨でした。