レバノンのベイルートの港の大爆発に関して、BBCモスクワ支局によるインタビューが出ていました。

 

ロシア語(だと思うけど)で行われて、英語字幕が付いています。

 

 

ボリス・プロコシェフ(と読むのでしょうか?)船長。

 

積み荷(硝酸アンモニウム)を押収された船の船長だった人です。

 

なぜベイルートへ行ったのか? どうして積み荷を押収されたのか?

 

 

 

インタビュアーも途中で「それはひどい」という感じで首を横に振っていましたが、この方の話がこのまま本当だとすると、気の毒すぎた状況。

 

 

 

Beirut explosion: Captain Boris Prokoshev on why Rhosus was in Beirut - BBC News

2020/08/08

 

Lebanon's government has blamed the huge blast that devastated parts of Beirut on the detonation of 2,750 tonnes of ammonium nitrate stored at the city's port. The government has not named the source of the ammonium nitrate, but the same amount of the chemical arrived in Beirut in November 2013 on a Moldovan-flagged cargo ship, the MV Rhosus. Moscow correspondent, Sarah Rainsford, spoke to the ship's captain Boris Prokoshev.

 

港に保管していた2,750トンの硝酸アンモニウムの大爆発で、レバノン政府が非難されている。

 

政府は硝酸アンモニウムの出所に言及していないが、同じ量の硝酸アンモニウムが、モルドバ船籍の貨物船「MV Rhosus」号によって2013年11月にベイルートに到着していた。

 

モスクワ特派員のSarah Rainsfordが、Rhosus号のBoris Prokoshev船長にインタビューを行った。

 

※大雑把な訳です。

 

 

 

 

以下はインタビューで元船長が語った内容の抄訳です。

 

 

 

積み荷は硝酸アンモニウムで、肥料用だった。危険な物質だが、輸送できないほど危険なものではない。

 

1トンずつ分けて梱包し、2,750個積んでいた。

 

積み荷はジョージア共和国のバトゥミ港からトルコへ運ばれた。

 

その後、我々はギリシャのピレウス港へ航海した。そこからベイルートへ寄って、モザンビークへ行く予定だった。

 

ベイルートへ寄ったのは、オーナー(船主、船会社)が資金がなかったので、ベイルートで追加の積み荷を得るためだった。

 

(追加の請負をして収入を得ようと思った)

 

スエズ運河の通行料を払わなければならなかったし。

 

 

 

しかし行ってみると、引き受けるはずの貨物が重すぎて、船に乗せられなかった。船のハッチの留め金が錆びて弱くなっていて運べなかった。だから断った。

 

積むはずの荷物を断った罰金と港の使用料をオーナーが支払わなかったため、ベイルートの当局は船を出発させずに引き留めた。

 

他の船員たちは帰国できたが、船長と船員3名の計4名が人質として拘束され、10ヵ月を船で過ごした。

 

オーナーが何を考えていたか知らないが、乗組員を見捨てて、賃金も支払わないなんて考えられない。

 

結局、船の燃料の一部を売却して弁護士を雇った。3か月の法廷審理の後、レバノン政府は我々を解放した。

 

(LEBANESE RELEASE US HOME と書いた紙を船員たちが掲げた写真がありますが、レバノンは我々を解放しろ、という抗議の模様)

 

 

船長達が船を退去する時の積み荷の状態は良かったし、きちんと保管して、鍵をかけていた。

 

で、ベイルート港の入国審査官にその鍵を渡した。

 

 

 

 

というのが、船と硝酸アンモニウムを押収されるまでの顛末だそうです。

 

船長や船長は雇われて船を運航しているので、船主が「あっちに行け、こっちに行け」と指示しているわけですね。

 

BBCが船主に取材を申し込んだが返答はなかった、とのこと。

 

 

 

誤読・誤訳があったらごめんなさい。ご指摘ください。

 

 

※今更CNNの和訳記事を見つけました。こちらもご参考に。ギリシャで給油した時に資金が底をついたらしい。。。

 

※スエズ運河の通行料は、調べてみたら日本円で一隻あたり何千万円という単位なんですね・・・。