マーケット状況
① ギリシャに対する楽観的な見方
② 原油価格の下げどまり感
から、世界的に株価が上昇基調となりました。
一方で、日経平均株価は、
③ 国債入札結果が思わしくないことからくる日本国債金利の暴騰不安
④ 日銀審議委員からのこれ以上の金融緩和に対する否定的な意見
などにより、世界的に良好な外部環境を受けて上昇はするものの、上値は重く、
なかなか伸びきらない感じがします。
テクニカル面からは、
ドル円が、三角持ち合いを上抜けたものの、日銀審議委員の発言から大幅なブレイクとはならず、
また、1ドル120円を超えてくると、過去財務相からも、けん制発言があったことなどから、
なかなかこれ以上は上がりにくい感じもあります。
リーマンショック前は、120円半ばで、円買い為替介入もあったそうで、
そろそろ、政府も行き過ぎた円安に対し、警戒感があるのかもしれません。
また、日経平均株価は、
現在、ドル円の為替レートと相関性が高いため、このドル円の動きと債券金利の上昇を受けて、
上値が重い展開をしているものと思われます。
今後の見通し
例年日経平均株価は、日本の会計期の年度末にあたる3月末には上昇する傾向があります。
したがって、今年もこの流れに乗ると想定すれば、
① 18,100円の直近高値付近を上にブレイクして3月末まで上昇を続ける
といったシナリオが考えられます。
しかし、
ドル円の120円越えに対する政治的なけん制が国内外から出始めているため、
それほど大きな上昇は期待できず、
② 18,100円付近でレンジ取引
といった展開も考えておいた方が良いのではないかと考えています。
いずれにしても、
この2つのシナリオで進むとしても、ギリシャ、原油安、日本国債金利の暴騰といったリスクは、
いつ顕在化するかもしれません。
したがって、下げ方向のリスクヘッジは、常に考えておきたいと考えています。
オプション取引については、
日経平均株価が安定的に上昇したこともあって、
日経平均VIが20%前後、オプションの権利行使価格帯によっては
インプライドボラテリティーが10%台まで下がってきました。
しばらくリスク要因が何もなければ、年度末までボラは低下すると思われますが、
突然のリスクに対しては、ボラが低いうちにリスクヘッジポジションしかけておくというのも
一つの方法かな?と考えています。
来週は
日本のGDPの発表、日銀金融政策決定会合、日本国債入札、米FOMC議事録といった
イベントにも注目したいところです。