ソチ五輪ジャンプ女子4位の高梨沙羅(17)=クラレ=や同7位の伊藤有希(19)=土屋ホーム=らジャンプ女子日本代表選手が27日、W杯後半戦出場のため渡欧した。成田空港で取材に応じた沙羅は、五輪のジャンプ男子ラージヒル銀、団体銅の2つのメダルを獲得した葛西紀明(41)=土屋ホーム=の試合を見て、感動のあまり号泣したことを告白。大きな刺激を受け、2年連続のW杯総合女王取りを誓った。
沙羅は前を向いていた。W杯に向かう成田空港で取材に応じ「たくさんの方からお言葉をいただいて、私が頑張る理由がここにあるんだなと思った。次はW杯の総合(優勝)を取るしかないと思います」。4位に終わったソチ五輪の悔しさはW杯総合連覇で晴らす考えを明かした。
今季のW杯は13戦10勝。ランク2位でソチ五輪金メダルのカリーナ・フォクト(22)=ドイツ=に459点もの大差を付けている。同3位で五輪銀のダニエラ・イラシュコ(30)=オーストリア=も、24日の練習中に左膝を負傷。25日に手術を受け、今季の出場が絶望となっている。1日のラスノフ大会(ルーマニア)でフォクトに41点以上の差、たとえば沙羅が優勝して100点を挙げ、フォクトが表彰台を逃し、50点以下に終われば、残り5戦を待たずに優勝が決まる。
気持ちが前に向いたのは“レジェンド”葛西の力もある。14日に帰国後は、山形市の蔵王で調整し、22、23日の国体ではテストジャンパーを務めた。「練習しているうちに(気持ちの整理は)できた」と言うが、男子ジャンプをテレビで観戦し「団体戦で(ジャンプを観戦して)初めて号泣した。寝不足になったけど、見て勇気をいただけた」と感謝した。
今回の遠征は4年後の平昌(ピョンチャン、韓国)五輪へのスタートにもなる。「技術的にも精神的にも強くなって、皆さんを楽しませるジャンプをしたい」と沙羅。大きな飛躍で、真の女王になり帰国する。
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