写真付小説 【東京散歩】 41-45 | 東京深夜舞台オフィシャルブログbyアメブロ

写真付小説 【東京散歩】 41-45

【 東京散歩 】

第41話-第45話

◆出演◆ 高山猛久 / 増田修一朗 / 西沢仁太 / 若林謙 (以上 東京深夜舞台)

◆脚本◆ 一雫ライオン (東京深夜舞台)




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『 ・・・・って、あなた!? 』



・・・ばれたか・・・・。



『 ・・・あなた

・・前歯に海苔ついてますよ・・・。 』



『 嘘 !!


・・シィー・・シィーッ!


・・本当だ!

さっき食べたのり弁の海苔が前歯に!


一輝、一生の不覚!!不覚だ!!


教えてくれてありがとう!!・・ 』



『 一輝?

・・・ちょっと、お客様、顔上げて貰えます? 』



『 ・・・・いや、良いです・・・ 』



『 駄目よ! 上げなさいよ!! 』



『 良いですって・・


 痛い


 アゴをそんなに・・持ち上げる・・な!


 ・・痛い!!

 ・・あっ!! 』



『 ・・・あっっっ!!!


・・・あ、あ、あんた、浦無一輝じゃない!!


ちょっと!!

何やってんのよ、私の店で!!



『 うお!うお!うお!うおーーーい!!


・・・お~お~そうだよ、


俺だよ、

浦無一輝だよ!!


何か文句あるのか!!



『 あんた、よくも私の前に顔出せたわね!!


この間一緒に出た

【 全部占っちゃいまShow ハート 】 で

散々、

私の事 ニセモノだ!!って

のたまわったくせに!!


おかげでこちとら商売あがったりよぉ!!

ポニ~ッタ!!ポニ~ッタ!!・・・・。 』



『 落ちつけよ!ポニータ!!

・・踊るな!!踊るな!!


俺が悪かった!! 』



『 ポニ~ッ・・・・ハァ・・ハァ・・

悪かったじゃないわよ!


・・何なのよ今日は! 営業妨害!?



『 違うよ、違うんだよ!

・・・番組の時は悪かったよ。


ほら、何かプロデューサーから

【 戦って 】 みたいな空気出てたじゃん・・・


ごめんよ。 この通り。 』



『 ・・・何が空気よ!

・・もう、いいわよ。頭あげなさいよ・・・


で、どうしたのよ?


そんな変装までして、

あんた程の能力持った人が、わざわざ私に?・・・ 』



『 実はよぉ、ミス・ポニータ・・・ 』



『 ・・・何よ? 』



『 俺・・

 占う能力なくなっちった!エヘッ!! 』



『 ・・・うそ? 』



『 ・・・ほんと。 』



『 ・・・神様は? 』



『 ・・・逃げた。 』



『 ・・・やばいじゃない。 』




『 ・・・やばいのよ。 』



『 どうすんのよ? これから? 』


『 わかんねーよ。

・・占ってくれよ・・・ 』



『 ・・・アーーーハハハハ !!

ア~ハハハハ !!

ポッニーーータ !! ルックルックルック !!



あんたは廃業して、私のアシストとなり、


カリスマ占い師の座は

このポニータ様の一人勝ちと出たわ!!


オーーーホホホ !! ポニータ !! ポニータ !! ・・・



シャーーラーーップ !!シャーーラーーップ !!

 

 それ以上言うな!!

 そしてそれ以上踊るな!!



『 こんな楽しい事があって

どうして踊らずにいられようか !?


オーーホホホ!!


さぁ、従業員諸君!

みんなでハワイアンダンスを踊るのよ!!フラガール



フ○ーーック・オフ!!

 フ○ーーック・オフ!! おりゃ!!



『 痛い!!


蹴ることないじゃない !!


女よあたい女よ!!


おりゃ !!



痛ぇーー!!


女、女ってお前身長190センチの

オカマ占い師じゃねーか!!



『 ・・・それだけは言うな、


てめぇーーーー !!


オカマ占い師なめんじゃねーよ!! おりゃ!!



『 うおーーーーーー!! 』



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 :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  : 

( しばし

 オカマ占い師と占い師の乱闘をご想像してお待ち下さい )




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『 ・・・ハァ・・ハァ・・


良いパンチしてんじゃねーか、ポニータ・・・。 』



『 ・・・ゼェ・・ゼェ・・


あたしのモンゴリアンチョップに

これだけ耐えたのはあんたが初めてよ・・


ちょっとは見なおしたわ、浦無一輝・・。 』



『 ポニータ、頼む・・


占ってくれ・・ 』



『 ・・ハァ・・ハァ・・。 』



『 時間がねーんだ・・


どうしても

その人見つけなきゃいけないんだ。』



『 ・・ハァ・・・。 』



『 カリスマとか、

そんなのもう関係ねぇーんだよ。


・・本当は、

最初から関係なかったはずなんだ。 』



『 ・・・・。 』



『 その人見つけて、

横須賀二郎って奴に逢わしてやりてーんだ!


・・頼む!


俺にはもう力が無い。

占ってくれ。・・ 』



『 ・・・・悲しみを・・ 』



『 ・・えっ? 』



『 この人は悲しみを背負っているわ。


・・決して今幸せじゃない。 』



『 ・・・それで!? 』



『 【東京】にいるわ。

それは間違いない。』


『 ほんとか!?


俺、依頼人に

【 お兄さんは東京にいる 】って、

当てずっぽうで言っちゃったんだよ!


・・良かった・・ 』



『 フッ・・

あんたにもまだ少しは

【 勘 】って奴が残ってたんじゃないの?


・・・後、

見えるのは・・ 【人混み】。 』



『 東京なんて

人混みだらけじゃねぇかよ!


東京のどこだよ!? 』



『 ちょっと待ちなさいよ!!


・・う~ん、


具体的な場所は解らないけど、

物凄い人混みの中で

一喜一憂してる姿が見えるわ。


・・ん!? 』



『 ・・何だ!? 』



『 ・・・・・


神に祈れよ、浦無一輝。

公園はいつもランデブー。

答えはいつも

偶然という名の隣人が教えてくれる。】 』



『 何言ってんだ、お前? 』


『 私の神様からのメッセージよ。

もう行きなさい。 』



『 えっ!?

 それだけ!? 』



『 ・・大丈夫、きっと見つかる。


あなた達3人は今

互いを引きつけ合う強力な磁石に

引っ張られてるから。


・・・ただ・・ 』



『 ・・ただ、何だよ!? 』



『 出会える事が

この兄弟にとって

幸せかどうかは解らない。


でも

出会ってしまうんでしょうね。』



『 ・・・・。 』



『 さぁ、行きなさい、浦無。


時間は限られている。

自信を持って。

あなた自身に。


あなたから神様は離れてなんかいない。 』



『 ・・わかったよ・・行くよ。


占い料・・・。 』


『 いらないわよ。

その変り、今度私とデートしなさいよ。 』


『 嫌だよ。 』


『 ・・・しなさい・・ 』


『 絶対嫌だよ。』



『 ・・・・8万円。 』



『 ・・・するよ。 』



『 フフッ・・・

ポニータが、知らない世界を教えてあげるドキドキ

か・ず・き・・チュッキスマーク



『 行ってきます!!



  【 バタン!!


『 ・・・全くシャイボーイね!!


・・・・でも、頑張って。


あなたが、救ってあげるの、

あの兄弟を・・・。』



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :


【 でも、浦無・・

 私たちはどうしてこんな力を与えられてしまったんだろうね? 】


【 人の人生が見えてしまうなんて・・・

決して楽しい事ばかりではないよね・・・・ 】


【 でも一輝・・・

あなたの神様は大切な事を、今あなたに教えようとしてる。 】


【 だから頑張って・・・一輝。

ポニータ、ほんとはアンタの事、狂おしい程愛してるから・・・・ 】



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『 ・・・・・・・・ウオ!寒い!!

・・・急に背筋に嫌なもの感じた・・・


まぁ、いいや。


探そう!!


公園はいつもランデブー・・・


何のこっちゃ!?・・・・ 』




神に祈れよ、浦無一輝。


公園はいつもランデブー


答えはいつも

 偶然という名の隣人が教えてくれる



・・・・・何のこっちゃポニータ。

意味がわからん。


お前のそのブッチャーの様な大画面サイズの迫力に

不肖、浦無一輝28歳思わず納得したが、

冷静に考えると全く意味がわからん・・・。



いかん!いかん!考えるな!


純粋にポニータの占いを信じるんだ。



祈ろう・・・・

祈りまくろう・・・・・。



【 神様さま。

 こちら浦無一輝と申しまして、

 どうしても知りたい情報がございます。

 

 つきましては、

 私の心の鍵を開けっぱなしにしておきますので、

 どうか横須賀一郎殿を ・・・・ 】



【 ドン!!!】



『 痛い!!


・・・すいません!


お祈りしながら歩いてたら、

ぶつかっちゃいました!! 』



『 痛ぇーな、おっさん!!


・・・って、お前浦無一輝じゃねぇ!? 」



『 ・・・あぁ、


そうだとも・・・。 』



『 凄ぇ!!凄ぇ!!


俺テレビに出てる奴とぶつかっちったよ~!!


超~ラッキー!!超~ラッキー!!


握手して!握手して!


・・・凄ぇ~、浦無、手ツルツルじゃん!!


ニベア塗ってんだべ!?

ニベア塗ってんだべ!?


・・・・!!』




・・・・・なんて頭の悪そうなガキだ・・・
ほっといて・・・


うん!?



【 偶然という名の隣人が教えてくれる 】



・・・・ま、まさか?・・・・・


『 ・・・君。


つかぬ事をお伺いするが、

この写真の方を知ってたりするかね? 』



『 どれすか~?

・・・・・ああああああああああああああっ!!!!!』


『 何だ!?


知ってるのか!? 』


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『 ・・・・知らねぇ!!

 全然知らねぇ!! 』



・・・・殺す

・・・2度殺すこのガキ


・・・・やっぱり

いくら隣人が教えてくれるって言っても・・・




『 ・・・・ん!?


・・・ああああああああああああああああっ!!!!』



『 どうした!!??

やっぱり知ってるのかぁ!!』



『 凄ぇえええ!!凄ぇえええ!!

 富士山じゃぁねぇ!?


 このおっさんの後ろに写ってんの富士山じゃねぇ!?


 超でけえ!!超でけえ!!・・・・ 』



・・・・むしり取ってやりたい


・・・こいつの耳にぶら下がるピアスを

むしり取ってやりたい・・・



ただでさえ

時間がないっていうのに・・・・・



・・・ああああああああああああああああっ!!!!!』



『 どうした!!

何か思い出したか!!?? 』




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『 ここにUFО写ってねぇ!!??


浦無!!見てみろよ!!


これUFОだべ!? 絶対UFОだべ!!』




『 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。 』



『 浦無はUFО信じる派!?信じねぇ派!?


俺どっちでも良い派!!ハハハハハハハハ!!


やべぇ、浦無超ウケる! 』




『 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。 』



『 UFОの写真持ってる浦無超ウケる!!


つ~か浦無と俺の帽子一緒じゃねぇ!?


やべ~よ!!やべ~よ!!



浦無にマネされてんべ!?俺!!


・・浦無もしかしたら、

俺に憧れてんだべ!!


憧れてんだべ!!浦無!!


・・浦無って・・・ 』




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『 チェ―――――――――――――――ッストゥ!!!!!!!!




『 ウゴォ!!! 』



『 年上にタメ語を使うんじゃない!!


教育的指導パ―――――――――――ンチ!!!!!!!! 』



『 ンガッシュ!!! 』




【 バタン!! 】




・・・・見ず知らずの少年を殴ってしまった


・・・しかし

これも日本の将来を考えてのこと・・・


んんんんんんんんんんんっ!!!!!!!!!!




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はずれた!!又はずれた!!


・・・もう嫌だ・・・もう嫌だ、


こんな人生・・・・・・。




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・・・・・・・・・一瞬見えた!?


今のは横須賀一郎・・・・・・



はずれた!?

・・又はずれた!?・・・・・・・・・



何がはずれたんだ?横須賀一郎!!



【 人混みの中で一喜一憂している 】 って

ポニータが言ってた・・・



・・・・・そうか

・・・競馬場か!!!!


競馬場にいるんだな、横須賀一郎さん!!



・・・・・・・・待ってろ!
今すぐ見つけてあげるからな!!


少年よ、サンキュウ――!!



ありがと―――――う!!!



『 ・・・・・・・浦無・・・・足どけてくんねぇ?

・・・・・・・・・・・。 』




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あれから2日・・・


東京中、嫌、関東中の競馬場を探した。


大井、府中、川崎、船橋、中山、浦和・・・・



あ~、気が滅入る。



どうも、ああいう場所は苦手だ。


分かりやすく人の欲望の棒が

エレクトして渦巻いている。



【 探しついでに

 私も馬券ぐらい買ってみても

 いいんじゃござんせん?】


なんて思って馬券買ってたら

5万すりました。



えぇ、へこんでます。


へこんでやんすとも。



あの何万という人ごみの中で

横須賀一郎殿は見つからなかったし、

時間ばかりが過ぎてゆくし・・・


・・・5万するし


・・・無職なのに・・・・。



ごめんよ、横須賀二郎。



俺、

やっぱり駄目かもしれないよ。


一瞬見えた、お兄さんの映像も

俺の勘違いだったのかも知れないし、


やっぱり

俺の心の神様、カエラビーナスは

俺を見捨てている訳で、


そんな俺はあまりにも無力の役立たずで、

人生をかけたあんたの願いを叶える手助けすら

出来ないんだ・・・。


笑わせてやりたいよ・・・


あんたの心からの笑顔が見てみたいよ、



横須賀二郎・・・・。



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この世の~奇跡のかけらなんて~、

  どこにも~、落ちてないのさ~


〔コーラス〕 ブランコ~


揺られてしまえ~、月の彼方まで~、

  遠心力の~、心の旅さ~!!


〔コーラス〕 ブランコ~


〔サビ〕 ブ!ブ!ブ!ブランコ~!

  お~まえはいつも夜の公園で


〔サビ〕 ブ!ブ!ブ!ブランコ~!

  さびしく誰を待ってる~の?


今~、お前に乗りたい~、

  チュッチュチュ!チュッチュドキドキブランコ!!


だけど~、止め方が、わ~からない~

  ブ!ブ!ブ!ブラ・ブランコ!!


( 作詞・作曲 浦無一輝 

 タイトル 【 俺はブランコ独り占め 】 着うた配信中 】 )




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・・・なんて歌を作った所で

何にも解決されないのさ。



横須賀一郎さん・・・

出てきておくれ。


どんな偶然でもいい。


そこに意味なんかなくていい。



だってそうだろう?



【 奇跡 】 ぐらい信じて生きていかなきゃ、

人生なんて辛いだけだろ?



予想もしない事が1回でも起こるから、

人は 【 希望 】 ってもんを忘れないんだろ?



【 希望なんてありゃしねぇ! 】 って

言ってる奴も結局は、

【 希望 】って存在を忘れないで、

心のどっかで明日を信じて太陽を待ってるじゃないか。



・・・神様、カエラ様・・・

これは俺のためじゃねぇ。



人生の終わりを知って、

残された時間を必死に生きようとしてる

横須賀二郎の為に、奇跡を起こしてやってくれよ。


それが出来なきゃ神様、

あんたは相当性格悪いぜ。


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『 ・・・よいしょ。 』



・・・はぁ


・・・気楽なおっさんだ。



昼間っから

プラプラ公園なんか来やがって。



駄目だよ!

頑張って働かないと!って・・・・


・・・俺も一緒か。


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男2人が昼間の公園で

肩を並べてブランコ遊びって、どんな光景だよ。


チビッ子がさっきから、

変な目で見てるんだからさ・・・。


しかもあのチビッ子のお母さん・・

かなり綺麗じゃねぇか!

・・タイプなんだからさぁ、

俺に恥かかせないでよって・・・・・



『 えええええええええっっっっっ!!!!!!!!!


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・・・・・・・・・奇跡・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・頂いちゃいました・・・


・・・・・・・・!!!!!!!!!




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『 あああああああああっつつつつののの・・・・・・・・・ 』




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『 横横横横横・・・・


横須賀一郎さんですよねぇ?


・・・・・・・・・・・・・。』



『 ・・・・・・・・・・はい?』



『 いや、あの、


横横横横横・・・・


横山田一郎さんですよね?


・・・・・・・・・・・・。』



『 ・・・・・・はいっ!?


よ、横山田じゃない・・・


よ、横須賀一郎ですけど・・・。』



『 そう!そう!そう!

横須賀一郎さんですよね!!! 』




『 何なの、あなた・・・


・・うわっ!!』



ダメ――――!!!



逃げないで!!

僕あなたの味方ですから!!


あなたの事情はよく知らないけど、

僕はあなたを良く知っているんです!!


毎日、あなたの写真見て生きてきたんです!!


お願い逃げないで!!




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『 ・・・ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・・・。 』



・・・・誰だこいつ?


・・・気持ち悪い。


・・・・私の名前を知っている

・・・借金取りか?


・・・・いや、

今更、私を追いかけてくる様な

暇な連中もいやしないだろう。



・・・・んっ!?

・・・この男どこかで見たことがある


・・・・どこだ? 銀行時代の客か?




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『 良かった・・・


良かったよ横須賀さん会えて~



・・ウッ・・ウゥ・・・・・


・・横須賀さ~ん! 』



『 ちょっと!ちょっと!

抱きつかないで下さい!!



・・うわっ!


服があなたの涙とよだれでビチョビチョじゃないか!?



あ~、そこの奥さん逃げなくていい!!

ホモじゃない!


私は断じてホモじゃない!! 』



『 そんな事どうだって良いじゃないですか~!!


僕は今この感動を誰に伝えたいかと聞かれたら、

迷わず横須賀二郎に伝えますって、

徳光さんに言って、一緒にもらい泣きしてもらうよ~!!

一郎さ―――ん!! 』



『 ・・・あなた今、

横須賀二郎と言ったか!?


・・・あなた二郎をご存じなのか!? 』



『 知ってるもなにも、

危うく東京湾に・・・


いや、

東京湾に一緒に釣りに行くほどの

大親友ですよ~!!


ウエーン・・・・ 』



『 二郎は・・・


二郎は元気に生きてるのか!?


・・・ちょっと、落ち付いて答えてくれ、君!!



『 ・・・はい


・・・二郎君は

・・元気に


・・・元気にやってますよ・・・。』




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[ バタバタバタバタバタバタバタ・・・・・ ]



偶然という名の隣人が教えてくれる


その通りだった。



僕は初めて神に感謝したのかも知れない。


この瞬間に。



二郎君が、

少しだけ照れたように笑った顔が目に浮かんだ。


同い年なのに、二郎くんに、

『 浦無、よう見つけてくれたな! 』 って、

思いきり褒められたいって、

僕はバカみたいに、

子供みたいに純粋に、

この時思ったんだ。



・・・to be continue